【ソウル聯合ニュース】韓国保守系与党「国民の力」の張済元(チャン・ジェウォン)国会議員が党混乱の責任を取り、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権で任命職などの公職に就かず党内の派閥活動もしないと表明した。張氏のような尹大統領に近く「尹核関(尹大統領の核心関係者)」と呼ばれる側近が一線から退くことは、尹大統領が国政運営の主導権を完全に握る契機になるとみられている。尹大統領をそばで支える大統領秘書室の国政掌握力も一段と強まる見通しだ。

 与党関係者は1日、聯合ニュースに「これまで大統領室としては『尹核関』が負担になっていた面があった」と明かし、「大統領秘書室が尹大統領の許可ではなく『尹核関』の許可を得ねばならなかったが、今後は秘書室長や首席秘書官が(物事を自主的に決める)自律権を持つことになった」と述べた。

 尹大統領は26年にわたり身を置いた検察を離れて間もなく大統領になり、政治基盤が弱く歴代大統領のような側近グループを持てなかった。検察組織の内外にいわゆる「尹錫悦師団」が存在したが、いずれも政治家ではなく検事や弁護士で、大統領室と政府の要職を埋めるには限界があった。

 このため、大統領室の初代秘書室長から首席秘書官、末端の行政職員に至るまで、人事を張氏や権性東(クォン・ソンドン)党院内代表ら「尹核関」の推薦に頼らざるを得なかった。

 尹大統領は8月上旬の夏季休暇中、「尹核関」による大統領室の人事推薦と検証に問題があったとの報告を受け、大々的な組織診断と人事措置を指示したとされる。先ごろ政務首席秘書官室や市民社会首席秘書官室で「尹核関」グループに近い多くの秘書官や行政官が辞職勧告によって辞めたのは、こうした尹大統領の意向があったためとみられる。与党関係者は「尹大統領は自分の側の人間をむやみに切らない。秘書官や行政官を果敢に切ることができたのは、尹大統領が自ら選んだ人々ではなかったためだ」と話す。

 ただ、権氏や張氏が党の要職に就かないとしても、尹大統領との個人的な関係を維持し、国政に直接的、間接的に影響を与えるとの見方もある。

 大統領室の関係者は、秋夕(中秋節、今年は9月10日)の前に大統領室の人員刷新に片が付き、党も安定を取り戻せるよう期待しているとし、「秋夕連休後から『尹錫悦式』の政治が本格化するだろう」と話している。