【ソウル聯合ニュース】韓国の文喜相(ムン・ヒサン)元国会議長は6日、経済団体の全国経済人連合会(全経連)がソウルで開催したセミナー「新政権の新たな韓日関係に向けた両国協力策」で基調演説し、日本による植民地時代の徴用被害者への賠償問題を巡り自身が提唱してきた解決策を改めて説明した。韓日間の最大の懸案である同問題の解決策として文氏は、両国企業と国民(1プラス1プラスアルファ)からの自発的な寄付で基金をつくり、新たに設立する財団を通じて徴用被害者に賠償金を支給することを呼び掛けている。

 文氏は超党派の韓日議員連盟で2004〜08年に会長、その後は20年まで顧問を務めるなど、韓国政界を代表する日本通として知られる。

 国会議長だった19年に訪日した際、徴用被害者への賠償問題の解決策としてこの案を提案している。これを柱とする法案も発議したが、20年に第20代国会の閉会に伴い廃案となり、その後、与党「国民の力」の尹相現(ユン・サンヒョン)議員が改めて発議した。

 文氏はこの日の演説で、1プラス1プラスアルファ案に加えて▼被害当事者本位▼前提として日本の痛切な反省と心からの謝罪▼韓国主導の被害者支援▼韓国大法院(最高裁)判決の精神の尊重――を原則に掲げた。

 また「被害当事国の韓国が先に法制定を通じて韓日両国間の重大な懸案を包括的に協議し、譲歩の名分を提供することで、和解協力のきっかけにしたい」と期待を示し、そのためにも韓日首脳会談による政府間合意を促した。文氏は「私が構想した解決策をもって、韓日首脳間で『金大中(キム・デジュン)・小渕恵三共同宣言』を改めて確認し、21世紀の韓日パートナーシップを実践していくことを期待する」と強調した。1998年に当時の金大中大統領と小渕恵三首相が発表した「韓日共同宣言」には、過去の植民地支配の謝罪と両国の未来志向の関係発展が盛り込まれている。

 セミナーには全経連の許昌秀(ホ・チャンス)会長や韓日議員連盟会長の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)国会副議長、相星孝一駐韓日本大使らが出席した。

 鄭氏はあいさつで「両国は自由民主主義と自由市場経済の価値を共有する共同体で、朝鮮半島と東アジアの繁栄、安全保障を守る両軸になる必要がある」と呼び掛けた。

 日韓議員連盟の額賀福志郎会長はビデオメッセージを寄せ、韓国新政権発足を機に未来志向的な関係を目指して両国政府と国会、経済界間で対話と交流が活発化することを歓迎した。