【ソウル聯合ニュース】北朝鮮は2日、南北分断後初めて朝鮮半島東の東海上の南北軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)の南側に弾道ミサイルを発射するなど、10発以上の多様な種類のミサイルを発射した。

 これまで北朝鮮は海岸砲やロケット砲をNLLの韓国側に発射したことはあるが、弾道ミサイルを発射するのは初めてで、挑発の水準が次第に高まっている。

 韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は同日午前8時50分すぎ、東部の江原道・元山から東海上に短距離弾道ミサイル(SRBM)3発を発射し、このうち1発がNLLの南26キロの公海上に落下した。

 公海上ではあるが、韓国の領海が基準線から12カイリ(約22キロ)であることを踏まえると、領海に極めて近い場所に落下したといえる。

 さらに北朝鮮はこの日、SRBM3発を含め、少なくとも10発以上のミサイルを西部と東部から発射した。西側ではNLLを越えて落下したミサイルはなかった。

 北朝鮮は6月5日にもSRBM8発を発射したが、10発以上の発射は今年初めて。多種多様なミサイルを取り交ぜて発射し、迎撃を困難にすることを狙ったと分析される。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は緊急の国家安全保障会議(NSC)を開き、「実質的な領土侵害行為」と非難し、厳しい対応を指示した。

 合同参謀本部も「今回の北のミサイル発射は分断後初めてNLLの南の韓国領海付近に落下したもので極めて異例であり、決して容認できない」として「断固として対応する」と強調した。

 北朝鮮はミサイルを意図的に南に向けて発射したとみられ、南北境界地域での軍事衝突を防止する南北軍事合意の趣旨に反する。韓国軍は挑発に対し、相応の対応を検討しているという。

 ミサイルが韓国・鬱陵島方向への発射だったため、同島には空襲警報が発令された。

 韓国軍は警戒態勢を上から2番目の「2級」に引き上げ、火力待機態勢も引き上げた。

 韓国と米国の両軍は10月31日から最新鋭ステルス戦闘機F35AやF35Bなど軍用機約240機が参加する大規模な合同航空訓練「ビジラント・ストーム」を実施しており、北朝鮮はこれを口実に挑発を行った可能性がある。

 北朝鮮はロシア製短距離弾道ミサイル「イスカンデル」の北朝鮮版「KN23」と推定される先月14日未明の発射以降、中国共産党の党大会が開催された16〜22日前後にはミサイルを発射せず、28日に短距離弾道ミサイル2発を発射した。

 今年に入り、北朝鮮が弾道ミサイルを発射するのは26回目。巡航ミサイルは3回発射した。5月の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足後のミサイル発射は15回目となる。