【ソウル聯合ニュース】韓国大統領室が11日からの尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の東南アジア歴訪で、偏向報道が繰り返されているとしてMBCテレビ記者の大統領専用機搭乗を拒否したことが波紋を広げている。メディア団体は10日に緊急共同声明を発表し、「憲法で定められている言論の自由に対する明白な挑戦」と批判した。

 声明には韓国記者協会や全国言論労働組合など8団体が参加した。

 声明は「大統領室が権力批判を理由に特定のメディアに対して取った取材の制限や(大統領)専用機搭乗からの排除は憲政史上例のない言論弾圧であり暴力」として、「尹錫悦大統領は反憲法的で反歴史的な取材制限措置を撤回し、国民に謝罪すべきだ」と要求した。また「尹政権が納得できる措置を取らない場合、今回の事態を言論の自由と民主主義に対する重大な脅威と規定し、全面戦も辞さない」と強調した。

 韓国に拠点を置く外国メディアでつくる「ソウル外信記者クラブ」も「言論の自由に対する懸念を招いている」として、「深い懸念を持って注目している」とする声明を出した。

 大統領室は9日に記者団に対し、「外交関連で歪曲(わいきょく)した、偏った報道が繰り返された点を考慮し、取材の便宜を提供しないことにした」として、MBC記者の大統領専用機搭乗を認めないと通知した。これに対し、MBCは「特定のメディアに対する大統領専用機の搭乗拒否は軍事独裁時代にもなかった前代未聞のこと」とし、「言論の自由を深刻に制約する行為」と反発する声明を出した。

 尹大統領は10日午前、同問題について記者団に対し、「大統領が税金を使って海外を訪問することは重要な国益がかかっているため」と述べ、国益を損なわないための措置だという認識を示した。

 MBCなどは尹大統領が9月に米ニューヨークを訪問した際、「国会でこの野郎どもが承認してあげなければ、バイデンは赤っ恥だ」」と発言したと報じたが、大統領室は「バイデン」ではなく発音が似た別の言葉を話しただけで、「国会」は米議会ではなく韓国議会を指した言及だと釈明していた。