【バリ島聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が15日(現地時間)、カンボジアとインドネシアの歴訪日程を終え、専用機でインドネシアのバリ国際空港から帰国の途に就く。同地で15日に開幕した主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は16日までの日程だが、尹大統領は15日夜に出発し、16日午前に京畿道・城南のソウル空港(軍用空港)に到着する予定だ。



 

 

 尹大統領は11日にカンボジアのプノンペンを訪問。韓国・東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議やASEANプラス3(韓中日)首脳会議、東アジア首脳会議(EAS)などに出席した。13日午後には韓日、韓米、韓米日首脳会談に臨み、北朝鮮問題などで連携を確認した。

 インドネシアに移動後、14〜15日にはG20各国の経済団体や企業によるビジネスサミット(B20サミット)やG20サミットなどに出席した。

 今回の歴訪のキーワードとして「韓国版インド太平洋戦略」が挙げられる。これを通じて米国のインド太平洋戦略に歩調を合わせながら、習近平・中国国家主席との韓中首脳会談を通じて「対中けん制」にある程度距離を置く姿勢を示した。

 また韓米日3カ国首脳がそれぞれ会談することで、対北朝鮮政策で協力していく意思も改めて確認した。

 ◇韓国版インド太平洋戦略を宣言 中国けん制には距離

 尹大統領が11日の韓国・ASEAN首脳会議で発表した自由・平和・繁栄を3大ビジョンとする「韓国版インド太平洋戦略」は韓国政府初の地域外交戦略だ。

 米国が中国けん制を念頭にした「インド太平洋戦略」を打ち出す中、これへの態度をあいまいにしていた文在寅(ムン・ジェイン)前政権と異なり、米国との共同歩調を明確にした。

 米中競争の最大の激戦地とされる東南アジアを舞台に独自の戦略を公開したことも注目に値する。

 韓国は米国の対中政策の基調に全面的に同調するのではなく、ASEANを中心に独自の地域外交戦略を駆使するという意思を強調。そのため歴訪最終日に実現した韓中首脳会談にも関心が集まった。

 尹大統領と習主席による初の首脳会談であり、文政権下の2019年12月以来、約3年ぶりの韓中首脳会談となった。

 尹大統領は米国の対中けん制戦略に無条件に同調しないという意思を首脳会談で示したとみられる。

 ◇東南アジアを舞台にした「北朝鮮の核巡る外交戦」

 韓中首脳会談をはじめ、様々な首脳外交のもう一つのキーワードは「北朝鮮核問題」だ。

 北朝鮮による挑発が続き、7回目の核実験がいつ強行されるか分からない状況で、韓米、韓中日、韓日、韓中首脳会談が順次開催された。

 特にプノンペンで行われた韓米日首脳会談では共同声明を採択した。韓国大統領室によると、韓米日3カ国の首脳による包括的な内容が盛り込まれた共同声明の採択は今回が初めて。

 また米国が韓日に提供する拡大抑止策を巡り、核を含んだ防衛力の提供を明言し、韓米日が収集した北朝鮮のミサイル警戒情報をリアルタイムで共有することで合意したことは注目に値する。

 事実上、韓日間の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の正常化であると同時に、韓日軍事協力の拡大に道を開いたとの評価も出ている。

 中国側との接触でも、北朝鮮の非核化を引き出すため積極的な役割を担うよう要請した。

 このほかにも、フィリピンのマルコス大統領、カンボジアのフン・セン首相、タイのプラユット首相、インドネシアのジョコ大統領などとの首脳会談を開催した。