【バリ島聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は15日、主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開かれているインドネシアのバリ島で中国の習近平国家主席と約25分間会談した。5月に就任した尹大統領と習主席の会談は初めて。対面での韓中首脳会談の開催は約3年ぶりとなる。

 尹大統領は会談の冒頭で大統領選に勝利した後、次期大統領として3月25日に習主席と電話会談を行ったことや、8月に国交正常化30周年を祝う書簡を交換したことに触れ、「新たな韓中協力の時代を切り開いていくことで一致した」と振り返った。そのうえで「韓国政府は中国と緊密に意思疎通し、相互尊重と相互利益に基づいた成熟した韓中関係のために協力していく」との意向を示した。

 また韓国政府の外交目標について、「東アジアと国際社会の自由、平和、繁栄を追求し、(これに)寄与すること」とし「その手段と方式は普遍的価値と国際的ルールに基づいている」と述べた。

 一方、習主席は冒頭で、「世界が新たな激動の変革期に入り、国際社会が前例のない課題に直面している中、(両国は)移動することのできない近い隣人であり、切り離せないパートナーだ」としながらも「中国は韓国側と共に中韓関係を維持発展させ、G20などの多国間プラットフォームでの意思疎通と協力を強化し、真の多国間主義を共に作り、世界により多くの肯定的なエネルギーと安定性を提供することを願う」と話した。

 習主席が述べた「真の多国間主義」は、米国が主導する国際秩序体制や中国をけん制する戦略を批判する際に用いられる言葉であるため、両国の温度差が浮き彫りになったと言える。

 韓国大統領室によると、続いての非公開会談で両首脳は国交正常化後の30年に両国の交流と協力が飛躍的に深まったことを評価。両国関係をさらに発展させることで一致したという。

 尹大統領は新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)と世界的な景気低迷、気候変動問題などを共に克服するため韓中間の高官級対話を活発に行うことを提案。習主席はこれに共感を示すとともに両国による半官半民の対話システムの構築を提案したという。

 両首脳は韓中自由貿易協定(FTA)の第2段階交渉の早期妥結や両国若者の交流活性化についても努力することで一致した。

 首脳会談では北朝鮮の核問題も取り上げられた。尹大統領は北朝鮮が前例のない頻度の挑発で核・ミサイルの脅威を高めていると指摘しながら、国連安全保障理事会の常任理事国で北朝鮮に影響力のある中国が積極的かつ建設的な役割を担うよう要請した。

 習主席は平和を守るために韓国が南北関係改善に積極駅に取り組むことを期待すると述べた。また尹大統領が北朝鮮に提案した非核化ロードマップの「大胆な構想」については「北朝鮮の意向が鍵を握る」と言及したうえで、北朝鮮が呼応すれば「大胆な構想」がうまく履行されるよう積極的に支持する意向を示した。