ソウル雑踏事故の現場 圧力は224〜560キロ=専門家分析
金烏工科大のパク・ジュニョン教授(機械設計工学科)が、群衆密度を推定した国立科学捜査研究院の鑑定書を基にシミュレーションした。事故が起こった昨年10月29日の午後9時〜10時半に現場の群衆密度は1平方メートル当たり6〜10人で、人々に加わっていた力は平均2200〜5500ニュートン(N)と推定された。これは224〜560重量キログラム毎平方メートルに当たる。
パク氏は「シミュレーションしたところ、事故現場の路地が双方向通行の時は区間内の人が800人になると(人の流れに)詰まりが生じ、圧死が発生する確率が高まるが、一方向の通行なら1000人でも詰まりが生じなかった」と説明した。また、道幅が狭まるボトルネックを誘発する構造物は、歩行者が転倒する確率を高めると指摘した。ボトルネックで歩行者にさらに大きな力が加わり、それが密集した状態で起きれば人が倒れやすくなるという。
こうした密集した状態では誰かが押さなくても転ぶこともあるかとの問いに、「一定以上の圧力が数分間続けば気絶する人があり、この時にできた隙間に人が倒れ込むことも発生し得る」と答えた。
路地の梨泰院駅に近い側には1800人程度がいたと推定した。その半数以上に平均4000N以上の力が加わっていたと分析した。
このハロウィーンの雑踏事故では日本人2人を含む159人が亡くなっている。