【ソウル聯合ニュース】韓国の2022年のウイスキー輸入額が15年ぶりの高水準を記録し、ワインの輸入額も過去最高を更新した一方、輸入ビールの輸入額は4年連続で減少した。新型コロナウイルスの感染拡大後、外での会食や集まりが減って「家飲み」「一人飲み」が浸透するなど、お酒の飲み方が大きく変わり、輸入酒類市場も激変期にある。

◇ウイスキー輸入額 前年比5割増

 韓国関税庁が23日までにまとめた統計によると、22年のウイスキー類の輸入額は2億6684万ドル(約360億円)で前年比52.2%増加した。2007年(2億7029万ドル)以来、15年ぶりの高水準となった。

 10年代半ば以降、労働時間の短縮、公職者らへの接待を厳しく規制する法の施行などを背景に、会食や集まりが徐々に減った。強い酒を控える雰囲気も広がり始め、ウイスキーの輸入額は減少傾向にあった。

 19年の1億5393万ドルから、新型コロナの感染拡大が始まった20年は1億3246万ドルに減少した。だが新型コロナ2年目の21年は1億7534万ドルに増え、22年は5割以上の増加を記録した。

 業界関係者は「新しい市場が形成された」と指摘する。以前はウイスキーといえば店でボトルを注文して飲むものというイメージだったが、近ごろは若者の関心が高まっている。新型コロナ下で家飲み、ひとり飲みが広がる中、ウイスキーに接する若者が増え、特にハイボールが人気を集めている。

◇ますます高まるワイン人気 

 22年のワインの輸入額は前年比3.8%増の5億8128万ドルで、過去最高を記録した。13年から10年連続で最高額を更新している。

 新型コロナ下でその人気は一層高まっている。ワイン輸入額は19年の2億5926万ドルから20年は3億3002万ドルと27.3%増加し、ビールを抜いて輸入酒類で最も大きな割合を占めるようになった。21年も5億5981万ドルと69.6%急増した。22年の輸入額は20年前の約20倍に上る。

 ワインを好む人が増え、専門店だけでなく百貨店やスーパー、コンビニエンスストアでも多様なワインを置くようになった。

 昨年のワインの輸入先をみると、フランスが2億335万ドルで最も多く、米国(1億267万ドル)、チリ(6672万ドル)の順だった。

◇ビール輸入額は下り坂

 輸入ウイスキーとワインに比べると、輸入ビールの人気はやや衰えている。昨年の輸入額は1億9510万ドルで前年比12.5%減少し、ウイスキーの輸入額を下回った。19年から4年連続のマイナス。

 輸入ビールはリーマン・ショックのあおりを受けた09年を除いて増え続け、18年には初めて3億ドルを突破した。だが19年に日本が韓国に対する輸出規制措置に踏み切ったことで韓国では日本ビールの不買運動が始まり、ビール全体の輸入額も減少に減じた。20年は新型コロナ禍に加え酒税の課税方式の変更もビール輸入に影響した。韓国産のクラフトビールも出回るようになり、業界関係者は「最近では国産ビールのシェアが上がり、輸入ビールがやや下がっている」と話す。

 昨年は日本からのビール輸入額が1448万ドルと、前年の2.1倍に急増した。18年は7830万ドルだったが、不買運動により20年は567万ドルに落ち込んだ。21年は668万ドルに小幅増加し、昨年も連続でプラスとなった。