韓国政府 「徴用」解決策を発表=財団が肩代わり
政府は国内の意見の取りまとめや日本との協議結果などを基にこのように決定したという。朴氏は「行政安全部傘下の日帝強制動員被害者支援財団が徴用被害者と遺族の支援、被害救済の一環として、18年に大法院で確定した3件の判決の原告に判決金(賠償金)および遅延利息を支給する予定だ」と説明した。現在係争中の別の徴用関連訴訟で原告が勝訴した場合も、財団が原告に賠償金と遅延利息を支給する。
必要な財源については「民間の自発的な寄与などを通じて用意し、今後、財団の目的事業に関して用いることができる財源を拡充していく」と述べた。財団は今年1月に、定款に記載される目的事業に「日帝の国外強制徴用被害者と遺族に対する被害補償および弁済」を追加している。
「民間の自発的な寄与」に関してはまず、1965年の韓日請求権協定に基づいて日本から支払われた資金で設立された、鉄鋼大手ポスコをはじめとする韓国企業16社程度が自発的な寄付として資金を拠出するとみられる。
18年に大法院で賠償命令が確定したのは3件の訴訟。原告は日本製鉄、広島と名古屋の三菱重工業で働かされた被害者ら計15人だった。これとは別に、大法院の判決を待つ9件を含め、韓国の裁判所では多数の徴用関連訴訟が行われている。
一部の被害者はこれまで韓国政府傘下財団による賠償肩代わり案に強く反発してきた。政府の正式発表でも被告企業の資金拠出は盛り込まれておらず、批判の声が相次ぐ見通しだ。
朴氏は「被害者の苦しみと痛みを記憶し、未来の世代に発展的に継承していくため、被害者の追悼と教育、調査・研究事業などに内実を伴わせ、拡大していくための方策づくりを積極的に進める計画だ」と述べた。また韓日両国の関係について「1998年10月に発表された『21世紀に向けた新たな韓日パートナーシップ共同宣言』を発展的に継承し、過去の不幸な歴史を克服し、和解と善隣友好協力に立脚した未来志向的な関係を発展させていくためにともに努力することを願う」と強調した。
政府の解決策については「1965年の韓日国交正常化以降、構築してきた両国間の緊密な友好協力関係を土台に、この先の韓日関係を未来志向的により高い次元に発展させていくという意志を持っている」と強調。政府は徴用被害者の苦しみに深く共感し、被害者と遺族の痛みを癒せるよう最大限努力していくと言明した。
朴氏は被告の日本企業が参加しない「中途半端な解決策」との批判について「同意しない」として、「コップに例えると、コップに水が半分以上は入ったと思う。今後続く日本の誠意ある呼応によってコップはさらに満たされると期待する」と述べた。