【ソウル聯合ニュース】韓国と米国は尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が4月末に米国を国賓として訪問しバイデン大統領と首脳会談を行うことを受け、具体的な議題の調整に入った。「行動する韓米同盟」を掲げる今回の訪米で尹大統領が北朝鮮に対する拡大抑止の強化、米国の産業政策により半導体や電気自動車(EV)分野の韓国企業の不利益が懸念される問題などを巡りどのような議論を行うか注目される。

 尹大統領とバイデン大統領は4月26日、米ワシントンで首脳会談を行う。同日、国賓晩さん会も予定されている。

 両首脳の対面会談は3回目だが、韓米同盟70周年を迎えた年に韓国大統領が12年ぶりに国賓訪米するという面で意味が大きい。両国は同盟70周年を記念する共同声明の発表も調整している。

 両首脳は高度化している北朝鮮の核・ミサイルに対応するため、拡大抑止強化の方策を集中的に議論するとみられる。両国は北朝鮮の武力挑発の可能性を注視している。韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は今月7日、国会情報委員会で、北朝鮮が3〜4月に核兵器と通常兵器を合わせた大規模な軍事演習や固体燃料式の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射、軍事偵察衛星の打ち上げを行う可能性があると報告した。

 米国の半導体補助金法やインフレ抑制法(IRA)などにより韓国企業が不利益を受ける問題も主な議題になる見通しだ。米政府は自国に半導体工場を建設する企業に計390億ドル(約5兆3700億円)の補助金を支援する方針だが、補助金を受け取る企業には厳しい条件が課される。昨年8月に成立したインフレ抑制法は北米で組み立てられたEVに最大7500ドルの補助金を支援する内容だが、韓国など外国製のEVは対象から外した。韓国大統領室によると、バイデン大統領は昨年11月の尹大統領との会談で、同法について「韓国企業の米国経済への寄与を考慮したインフレ抑制法の履行策が議論されなければならない」と言及したが、まだ具体的な措置は出していない。韓国政府はこれまで協議を続けてきたため、米政府が今月中に打ち出すとみられるインフレ抑制法の施行令を見守る方針だ。