国連人権理事会の北朝鮮人権決議案 韓国が5年ぶり共同提案国に
北朝鮮人権決議案は21日(現地時間)にスウェーデンが欧州連合(EU)を代表して提出した。例年と同様にEUが中心となって作成、提出し、韓国も関連協議に参加したとされる。
韓国は南北関係の特殊性などを理由に、2019年から22年まで4年連続で同決議案の共同提案国から外れた。だが、22年5月に発足した尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は北朝鮮の人権問題を重視しており、今年は共同提案国に復帰した。
今回の決議案は新たに、北朝鮮の「反動思想文化排撃法」に言及した。思想、良心、宗教、信念の自由と意見、表現、結社の自由を保障し、これらの権利を抑圧する反動思想文化排撃法などの法と慣行を見直すよう求めた。同法は韓国など外部で製作されたコンテンツの一切を反動思想文化と見なして厳格に禁止するもので、20年に制定、昨年8月に改正された。
決議案はまた、外国人に対する拷問、即決処刑、恣意的な拘禁、拉致などを懸念する既存の内容に「遺族と関係機関に(被害者の)生死と所在を含む全ての関連情報を公開するよう北朝鮮に求める」と盛り込んだ。これは韓国の前政権期だった20年に黄海で韓国人男性公務員が北朝鮮軍に射殺された事件を巡り、遺族と韓国政府の要求の多くを反映した記述とみられる。
さらに「北朝鮮に送還される北朝鮮住民が強制失踪、恣意的な処刑、拷問、不当な待遇を含むいかなる人権侵害の対象にもなってはならない」と指摘した。韓国前政権期の19年、脱北した北朝鮮住民が韓国から北朝鮮に強制送還された事件を間接的に指したようだ。
この2点は、昨年末に国連総会で採択された北朝鮮人権決議で初めて記載された。
国連は毎年前半に人権理事会、後半に総会で北朝鮮人権決議を採択してきた。韓国は昨年総会に提出された決議案にも、4年ぶりに共同提案国として名を連ねた。