【ソウル聯合ニュース】先ごろ国賓として米国を訪問した韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が、今月中に韓日、韓米日首脳会談を相次いで開催し、韓米日の協力強化に本格的に乗り出す見通しだ。韓国大統領室は1日、尹大統領と日本の岸田文雄首相が7日にソウル・竜山の大統領室で会談する方向で最終調整中だと明らかにした。

 2日に岸田氏の訪韓と韓日首脳会談の日程を同時に発表する予定だ。 

 岸田氏の訪韓は夏ごろになるとの予想も出ていたが、韓日両国は尹大統領の訪米以前から岸田氏の早期の訪韓について話し合ってきたとされる。

 大統領室の関係者はこの日、聯合ニュースの取材に対し「日本側が以前から岸田首相の訪韓を希望していた」と説明した。

 韓日首脳会談の開催は3月16日に東京で行われて以来約50日ぶりとなる。大統領室は、岸田氏の答礼訪問にあたり「首脳シャトル外交の完全再開」に最も重きを置いている。新たな成果を期待するというよりは、両国首脳間の緊密な意思疎通に向けた意思を再確認し、前回の首脳会談の後続措置の履行に注力する構えだ。

 韓日首脳が相手国を相互に訪問するシャトル外交としての日本の首相の訪韓は、2011年10月の野田佳彦首相(当時)以来12年ぶりとなる。

 今回の訪韓で徴用賠償問題に対する岸田氏の謝罪を要求する世論も少なくないが、前回の韓日首脳会談で言及された内容以上の立場を示すことは容易ではないとの見方が支配的だ。

 韓日が岸田首相の訪韓を推進しているのは、韓米日の関係を強化するためには両国関係の正常化が不可欠だとする共通認識に基づくものだ。

 韓米日は今月中旬、広島で開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)の期間中に首脳会談を行い、安全保障分野を中心とした3カ国協力の拡大で合意する見通しだ。

 尹大統領とバイデン米大統領は先月26日(米東部時間)、米ホワイトハウスで会談し、韓米の連携とともに韓米日3カ国の協力強化を支持する考えを明らかにした。

 首脳会談後の共同声明では「共通の価値に従い、革新を動力とし、共同の繁栄と安全保障に対する意思に基づいた韓米日3カ国の協力の重要性を強調した」と述べた。

 韓米首脳会談で採択された「ワシントン宣言」には、韓米が核抑止を議論する次官補級の常設協議体「核協議グループ(NCG)」の新設が盛り込まれた。外交関係者の間ではこれと連携した韓米日3カ国の拡大抑止協議体がG7を機に新設されるとの見方も出ている。

 ただ、大統領室の関係者は聯合ニュースの取材に対し「まだ協議も始まっていない」と述べた。