判決確定の徴用被害者遺族 日本製鉄の資産売却申請を取り下げ
関係者によると、資産を売却して現金化するための申請を取り下げたのは、判決確定前に死去した呂運澤(ヨ・ウンテク)さんの遺族4人。遺族は今年3月、賠償支払いを傘下の財団に肩代わりさせる韓国政府の解決策を受け入れ、賠償金を受領する意思を示していた。
呂さんは2005年2月、李春植(イ・チュンシク)さん、申千洙(シン・チョンス)さん、キム・ギュスさんと共に、当時の新日本製鉄(現日本製鉄)を相手取りソウル中央地裁に損害賠償を求める訴訟を起こした。ただ、勝訴判決が確定するまでに李氏を除く原告3人は死亡した。
大法院は被害者4人に対し1人当たり1億ウォン(約1000万円)の賠償を新日鉄住金(12年10月に新日本製鉄から社名変更)に命じる判決を確定させたが、同社が賠償に動かなかったことから、大邱地裁浦項支部は19年1月、原告側が申し立てた同社の韓国内資産であるPNR株の差し押さえを承認。21年12月には同株の売却命令を出した。
これに対し、日本製鉄が即時抗告したため、大法院がこれを審理していた。