【ソウル聯合ニュース】韓国の金大棋(キム・デギ)大統領秘書室長は24日の国会運営委員会で、東京電力福島第1原発の処理済み汚染水海洋放出計画を巡り、6月末までに出される国際原子力機関(IAEA)の分析結果や韓国視察団の調査結果を踏まえて判断を下す考えを示した。

 金氏は「IAEAが汚染水の安全性を担保できなければ、われわれも当然譲ることはできない」としながらも、「前政権の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官もIAEAの基準に従い、事前に協議して放出に反対しないという立場だった」と述べた。

 また、「4〜5年後に(汚染水が韓国の沿岸に)入ると大変なことになると言うが、福島原発事故で汚染水よりもっとひどいものが出てきた」として、「10年以上経ったが、韓国の海岸や水産物などどこを見ても問題がない。福島(原発事故)前と同じという結果がある」と指摘。「韓国の近海90か所を調査しているが、これまで問題がなかった」と強調した。

 IAEAの調査結果を尊重する立場も改めて確認した。IAEAの信頼性を問題視する野党議員の質問に対しては、「そうなると、世の中に信じられるものはない」と反論した。そのうえで、「政府がIAEAから提供を受けたサンプルを分析しており、結果がもうすぐ出る」とし、民間専門家が調査結果を確認する機会を設ける方針も明らかにした。

 IAEAの調査結果を受け入れるかどうかに関しても、「科学的に検証されたものだ」と答弁した。

 ただ、汚染水の海洋放出が始まる場合、福島県産などの水産物の輸入を再開する問題については、「それは別問題だ」との認識を示した。

 一方、同委員会に出席した趙太庸(チョ・テヨン)国家安保室長はロシアの侵攻を受けるウクライナに弾薬を支援する問題について、「戦況を見極め、別の状況を考慮して今後検討する」と答弁した。