【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)は25日、定例の金融通貨委員会を開き、政策金利を年3.50%に据え置くことを決めた。据え置きは3会合連続。4月の消費者物価指数の上昇率は前年同月比3.7%と14か月ぶりに3%台に鈍化し、インフレ圧力はやや和らいでおり、あえて利上げして冷え込んだ景気と金融市場をさらに冷やす必要はないと判断したとみられる。

 

 韓銀は2021年8月に0.50%だった政策金利の引き上げを開始し、今年1月までの1年5か月で計3%利上げした。その後の3会合連続の据え置きにより4か月以上にわたり政策金利が3.50%で維持され、市場では今回の利上げ期の最終的な金利を3.50%とみて下半期の利下げ期待が高まると予想される。

 再び金利を据え置いた最大の理由は景気不安だ。輸出の不振が続くなか、1〜3月期の実質国内総生産(GDP)は前期比0.3%増と、民間消費に助けられ2四半期連続のマイナス成長をかろうじて免れた。3月の経常収支は3か月ぶりに黒字を計上したものの、韓国企業の海外現地法人の配当所得による影響が大きかった。

 輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支(通関ベース)は、4月まで14か月赤字が続いている。

 こうした経済指標と期待より遅い中国のリオープン(経済再開)効果などを踏まえ、韓銀は同日、韓国の23年の成長率見通しを従来の1.6%から1.4%に引き下げた。

 金融市場のリスクの高まりも金利据え置きの一因になったようだ。3月の米地銀シリコンバレーバンク(SVB)の破綻以降、世界で金融不安が続くなか、利上げを推し進めれば体力のない貯蓄銀行や与信専門金融会社を中心に不良債権問題が顕在化しかねない。

 政策金利の据え置きにより、米国との金利差は最大1.75%(米国5.00〜5.25%、韓国3.50%)で維持された。