【ソウル聯合ニュース】韓国の韓東勲(ハン・ドンフン)法務部長官の個人情報流出疑惑を巡り、ソウル警察庁反腐敗・公共犯罪捜査隊は30日、関与が疑われるMBCテレビ記者の自宅や、情報が記載された資料を管理していたとみられる国会事務処などを家宅捜索した。

 警察はこの記者の携帯電話を押収し、自宅と車両を捜索して関連資料を確保したもようだ。

 記者の職場にも家宅捜索に入ろうとしたが、全国言論労働組合MBC本部は「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権によるMBC弾圧の始まり」「明らかな過剰捜査」などと強く反発。10人ほどの組合員がMBC社屋1階で捜査員の立ち入りを阻止し、にらみ合いとなった。

 韓氏の個人情報流出疑惑は、ソウル市の江西区議会議員が指摘した。韓氏と家族の住民登録抄本や不動産売買契約書などの個人情報が記載された資料が流出したようだとし、自身に韓氏の資料を渡した人物を先月警察に告発した。最大野党「共に民主党」側と称するこの人物は、以前から政治家が関係する資料を収集してきたとされる。

 韓氏は尹政権が発足した昨年5月に法務部長官に就任。これに先立つ4月の人事聴聞会の際に国会に提出された資料が外部に漏れたとみられる。警察は流出に関わったとみるMBC記者から確保した資料を分析し、流出経路を追う方針だ。国会事務処でも、人事聴聞会のため提出された資料の確認に当たっている。

 MBCは昨年9月、尹大統領が訪米時に下品な言い回しをしたと最初に報じ、名誉毀損(きそん)の疑いなどで告発されているが、この記者も被告発人の一人だ。