【ソウル聯合ニュース】韓国軍は1日、北朝鮮が前日に軍事偵察衛星の打ち上げと称して発射した飛翔体が韓国防空識別圏(KADIZ)を貫通する形で飛行し、朝鮮半島西側の黄海に墜落したことを明らかにした。軍は韓国西部の全羅北道・群山の西約60キロに位置する於青島の北西約200キロの海上で飛翔体の一部とみられる浮遊物を発見し、引き揚げ作業を行っている。国防部が国会国防委員会で、北朝鮮の前日の「宇宙発射体」について発射の経過や軍当局の評価、対処措置などを報告した。

 国防部が報告で提示した地図によると、浮遊物が見つかった場所はKADIZの境界線に近いKADIZの外側だが、北朝鮮の飛翔体がKADIZの上空を貫いて飛行したことが分かる。

 防空識別圏は領空に接近してくる軍用機を早期に識別し、対応するために設定する任意の空域で、領空とは異なる。

 軍は前日に引き揚げた円筒型の浮遊物について、北朝鮮の飛翔体の1段目と2段目をつなぐ部分と推定している。飛翔体の落下時の飛行方向を踏まえ、浮遊物を見つけた地点の南西側の海域で他の残骸の捜索作業を行っている。

 北朝鮮が予告した打ち上げ期間(5月31日午前0時から6月11日午前0時)の初日に発射を強行した背景について、国防部は「6月上旬に朝鮮労働党中央委員会総会を控え、戦略兵器開発の課業達成と監視偵察能力の確保を国防分野の主要成果として宣伝する意図があった」と分析した。

 発射から約2時間半後に失敗を認めたことに対しては、「韓米情報当局の分析で失敗が判明することを勘案し、早めに失敗を認めた」との見方を示した。