景気減速が2カ月連続「緩和」 輸出回復と物価上昇率鈍化で=韓国政府報告書
8月の消費者物価指数は前年同月比3.4%上昇した。前月(2.3%)に比べ上昇率が拡大したが、政府はこれを原油価格の上昇と農産物価格不安による一時的なものとし、全般的には鈍化の流れを維持していると判断した。
8月の輸出額は前年同月比8.4%減の518億7000万ドル(約7兆6500億円)で、マイナス幅は前月(16.4%)を下回った。輸入額の減少率は22.8%と輸出より大きく、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は8億7000万ドルの黒字となった。3カ月連続のプラス。
7月の経常収支も35億8000万ドルの黒字だった。商品収支(貿易収支に相当)と、給与・賃金と投資に伴う利子や配当を差し引きした所得収支(第1次所得収支)が黒字を維持している。ただ、サービス収支は旅行収支の悪化が響き赤字だった。8月の経常収支はサービス収支赤字の継続と中間配当の影響で、黒字額が縮小する見通しだ。
内需の回復はやや足踏み状態だ。7月の小売販売は前月比3.2%、前年同月比1.7%、それぞれ減少した。8月の消費者心理指数は103.1と、基準値の100を上回ったものの前月より0.1ポイント低い。
7月の全産業生産は前年同月比1.4%減少した。サービス業と建設業が伸びたが、鉱工業と公共行政は減少したため。
景気の現状を示す一致指数の循環変動値は前月から0.5ポイント下落の99.6で、基準値100を下回った。
8月の就業者数は前年同月比26万8000人増加した。
政府は外部要因について、IT市況の改善や中国人観光客の増加が期待される一方で、主要国の景気減速懸念もあるとした。金融引き締めやウクライナ情勢、原材料価格の変動性拡大なども不確実性に挙げた。その上で「秋夕(中秋節)の物価安定など暮らしの安定に力点を置きながら、内外のリスクの徹底した管理と経済の体質改善に努める」と強調した。