韓国 きょうのニュース(9月15日)
文在寅(ムン・ジェイン)前政権時代の住宅価格統計など、主な統計の作成実態を調べていた監査院は15日、数年間にわたり統計の改ざんが行われていたとみて、前政権で大統領府政策室長を務めた張夏成(チャン・ハソン)氏など22人の捜査を検察に要請したと発表した。監査院は中間監査結果を発表する記者会見を開き、「青瓦台(当時の大統領府)と国土交通部などが統計庁と韓国不動産院(旧韓国鑑定院)に圧力をかけ、統計数値の改ざんや統計の情報を歪曲(わいきょく)させるなどの不法行為を行った事実が確認された」と明らかにした。
◇鉄道スト2日目 列車の運行減り不便続く
全国鉄道労働組合(鉄道労組)が14日から公共鉄道の拡大などを求め4日間の全面ストライキを実施しており、列車の運行に支障が出ている。スト2日目の15日も大きな混乱は生じていないものの、列車や地下鉄の運行本数が普段より減り、人々は他の交通手段の利用を余儀なくされている。ストは週末も続く見通しで、旅行客らの不便も予想される。
◇徴用訴訟に不当介入 前最高裁長官に懲役7年求刑
日本の植民地時代に徴用された被害者らが日本企業を相手取って起こした損害賠償訴訟に不当に介入したとして職権乱用権利行使妨害などの罪に問われた前大法院長(最高裁長官)の梁承泰(ヤン・スンテ)被告の論告求刑公判がソウル中央地裁で開かれ、検察は懲役7年を求刑した。梁被告は当時の朴槿恵(パク・クネ)政権の意向をくみ、重点事業だった上告裁判所の導入などを図るために大統領府や政府の協力を得る目的で徴用訴訟などに介入したとして起訴された。
◇尹大統領「力による平和で民主主義守る」 仁川上陸作戦記念式を主管
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、朝鮮戦争中の国連軍による仁川上陸作戦の成功を記念する行事を主管した。ソウル近郊の仁川港で開かれた式典の演説で「堅固な韓米連合防衛体制を基盤に韓米日の安全保障協力を一層強化しながら北の脅威への圧倒的な対応力を確保する」とし、「強力な国防力を土台に力による平和を構築し、自由民主主義を堅固に守っていく」と強調した。仁川上陸作戦は1950年9月15日、マッカーサー司令官が指揮する国連軍が仁川に上陸し、北朝鮮からソウルを奪還した戦闘。韓国では60年から仁川上陸作戦戦勝行事が開かれているが、大統領主管は今回が初めて。
◇ロシア訪問の金正恩氏が工場視察 戦闘機の試験飛行参観
ロシア極東を訪問している北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が戦闘機の生産工場を視察した。ロシア国営メディアのスプートニクが報じた。金正恩氏はハバロフスク地方のコムソモリスクナアムーレにある工場で、ロシアのマントゥロフ副首相兼産業貿易相の案内を受けて戦闘機「スホイ(Su)35」と新型旅客機「スーパージェット(SJ)100」の組立工程を視察した。また、スホイ35の試験飛行も参観した。マントゥロフ氏は「北朝鮮と航空機生産をはじめとする産業分野で協力する可能性がある」と明らかにした。
◇汚染水放出点検 専門家を来週福島に再派遣
国務調整室の朴購然(パク・グヨン)第1次長は定例記者会見で、東京電力福島第1原発の処理済み汚染水の海洋放出プロセスを点検するための専門家を来週現地に派遣すると発表した。14日に開いた国際原子力機関(IAEA)とのテレビ会議で決まったという。韓国の専門家派遣は2回目となる。政府によると、先月下旬の放出開始に合わせて福島第1原発内のIAEA事務所に派遣された韓国原子力安全技術院(KINS)所属の専門家は、今月8日まで現地に滞在し、IAEAと会議を重ねた。