【ソウル聯合ニュース】韓国の朴振(パク・ジン)外交部長官と米国のブリンケン国務長官が9日、ソウルの外交部庁舎で会談した。両外相はロシアによる北朝鮮への軍事技術の移転を事実上公式化し、これを阻止するためロシアに圧力を加える可能性を示唆した。

 会談後の共同記者会見でブリンケン氏は、北朝鮮とロシアの軍事協力は「双方向の関係」だとして「北朝鮮がロシアに軍事装備を提供するだけでなく、ロシアが北朝鮮の軍事プログラムのために技術的支援を行っているとみている」と述べた。

 同氏と朴氏は、ロシアが国連安全保障理事会の決議に違反して北朝鮮に軍事技術を移転しないよう、パートナー国と共に圧力をかけるために講じることができる追加措置について議論したと明らかにした。

 ブリンケン氏は8日、日本で開かれた先進7カ国(G7)外相会合後の記者会見でロシアによる北朝鮮への軍事技術の提供を巡り「われわれはロシアが北朝鮮から兵器と軍需品を受け取り、その見返りに何を提供しているのか深く懸念している」と述べたが、この日の発言はそれよりもさらに踏み込んだものだと言える。

 韓米外相の記者会見ではロ朝の軍事協力により北東アジア情勢が不安定さを増し、北朝鮮の脅威がさらに高まっている状況での中国の役割の重要性も強調された。

 朴氏は「中国も朝ロ(ロ朝)が密着し、軍事協力と武器取引が行われることを喜ぶ立場ではないと考える」と述べた。そのうえで、ウクライナ戦争によって欧州の安保危機が高まり続けている中、ロ朝軍事協力や武器取引によって北東アジアの緊張が高まれば中国の国益にも反するとの認識を示した。

 また、韓米は周辺国と国際社会の懸念を踏まえ、危険な取引が行われないよう中国に役割を担うよう促す努力を傾けると説明した。

 ブリンケン氏も中国が持つ北朝鮮への影響力に言及し、「中国が影響力を発揮し、北朝鮮が無責任で危険な行動から手を引くよう、建設的な役割を果たさなければならない」と強調した。

 また韓米が来年、この問題を国連安全保障理事会で理事国として取り上げると述べた。

 両氏は北朝鮮に対し、衛星の打ち上げを含めた一切の挑発を直ちに中止するよう促すとともに、北朝鮮に核・ミサイル開発を断念させるための努力を傾けていくとの立場を改めて確認。脱北者の強制送還に対しても懸念を示した。

 一方、ブリンケン氏は2018年に締結された南北軍事合意について「韓国と北朝鮮の合意だが、きょうの外相会談で取り上げた」とし、「われわれはこれについて協議しており、オースティン国防長官が今週末に韓国を訪問する予定で、そのときにこれについての対話があるだろう」と述べた。

 南北軍事合意は18年9月、当時の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)が署名した「平壌共同宣言」の付属合意書で、偶発的な衝突を避けるため軍事境界線付近の飛行禁止区域、砲射撃と連隊以上の野外機動訓練禁止区域、緩衝区域などが設定された。昨年末に北朝鮮の無人機が韓国に侵入したことを受け、韓国では合意の効力を停止することが取り沙汰されている。

 会談では米中関係、ウクライナ戦争、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突など世界の懸案での協力についても話し合われた。

 特にイスラエルとハマスの武力衝突を巡り朴氏は「人道的な目的による一時停戦が必要との認識を改めて確認した」とし、ブリンケン氏は「韓国がリーダーシップを発揮してハマスを糾弾しパレスチナに人道支援を迅速に提供したことに感謝する」と述べた。

 また朴氏はハマスと北朝鮮との関連性について注視しているとも述べた。