【ソウル聯合ニュース】韓国で国家遺産基本法が施行される来年5月から文化財という用語が「国家遺産」に変わり、文化財の分類が改められる。また、国家遺産を訪れる観光客が利用できる割引パスの導入や、韓国遺産を広報する「通信使」の派遣も推進される。

 文化財庁はこうした内容を盛り込んだ「国家遺産未来ビジョン」を8日に発表し、未来社会での文化財の新たな役割と価値を提示する。

 国家遺産基本法は昨年5月に制定された。韓国の文化財は有形文化財、民俗文化財、記念物、無形文化財に分類されているが、同法が施行される来年5月からは文化遺産、自然遺産、無形遺産に分類され、総称として文化財ではなく「国家遺産」という用語が使われる。国家遺産は、国際基準の「遺産(heritage)」の概念が適用された。

 これとともに文化財庁は「国家遺産庁」に名称を変更するため、関係官庁と協議を進めている。

 文化財庁は新体系の目標を「国民と共に享受する未来価値、国家遺産」に定め、国と地域の発展、デジタルヘリテージなど6大戦略を策定する。

 まず、国家遺産が新たな成長動力になるよう来年下半期(7〜12月)に「国家遺産産業育成および振興に関する法律」(仮称)を提出し、関連産業を育成する計画だ。

 国家遺産を訪れる観光客が地方自治体の文化施設や宿泊施設、飲食店で割引を受けることができる「K―ヘリテージパス」も導入する。

 国家遺産に関する写真、調査報告書、図面など、さまざまな資料を活用できるようデジタルプラットフォームを構築するなど「デジタルヘリテージ」も活性化させるほか、国家遺産の周辺地域の管理・整備にも気を配る。

 気候変動や高齢化などの危機にも積極的に対応する計画だ。

 風水害をはじめ気候変動による被害データを構築し、50年以上の歴史がある唱劇(伝統歌唱パンソリをベースにした歌劇)や伝統芸能サムルノリなどを支援する「近現代無形遺産登録制」を導入する。

 国際交流分野でも国家遺産の概念を活用し、多様な事業を展開する。

 欧州にある韓国の文化遺産の返還、または現地での活用を支援できる拠点作りを進め、韓国の文化遺産がある国と協力して遺産の保護・活用を図る「K―公共遺産政策」を推進する。

 韓国遺産を広く広報する役割を果たす国家遺産通信使(仮称)も派遣する計画だ。文化財庁関係者は「人権、気候変動など時宜にかなったテーマを中心に共同研究を進め、無形遺産履修者らを派遣する草の根外交も行う」と説明した。