【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル高裁は1日、日本による植民地時代の韓国人徴用被害者と遺族約80人が日本製鉄(旧新日鉄住金)、日産化学、三菱重工業など日本企業16社を相手取り損害賠償を求めた訴訟で原告の訴えを却下した一審判決を破棄し、審理をソウル中央地裁に差し戻した。

 高裁は「一審(判決)に問題があり、差し戻した」とのみ説明した。

 地裁は2021年6月の一審判決で、1965年の韓日請求権協定により被害者の賠償請求権は制限されるとみるべきで、訴訟を起こす権限はないとして訴えを却下した。

 この判決は、日本企業に賠償を命じた2018年10月の大法院(最高裁)判決と食い違うとして波紋を呼んだ。 

 地裁は当時、「原告の請求を認める本案判決が確定して強制執行までなされれば、国家安全保障と秩序維持という憲法上の大原則を侵害するもので権利乱用に当たり、許されない」と説明した。

 一方、高裁はこの日、徴用被害者と遺族252人が三菱重工業など日本企業3社を相手取って起こした別の訴訟の控訴審では、一審と同様に原告のうち1人に1000万ウォン(約110万円)を支払うよう命じた。他の原告に対しては、日本企業が強制労働をさせたことが証明されなかったなどとして原告敗訴の判決を言い渡した。

 原告側の弁護士は判決直後、報道陣に対し「労働者がどの企業で働いたかに関する資料が日本にあるが、日本側が協力せず立証が困難だ」として、証拠を持つ日本が積極的に協力するべきだと訴えた。