【ソウル聯合ニュース】韓国政府が医師不足などの対策として発表した大学医学部の入学定員増に反発する専攻医(研修医)が集団で辞表を提出したことにより、医療現場の混乱が拡大している。

 医療関係者によると、ソウルの「ビッグ5」と呼ばれるソウル大病院、セブランス病院、サムスンソウル病院、ソウル峨山病院、ソウル聖母病院では21日現在、手術件数を30〜50%減らしている。 

 救急診療の当直などの中軸である専攻医が一斉に持ち場を離れたことで、病院は非常事態に陥った。なかでも手術日程に深刻な支障が生じている。各病院では救急患者や重症患者の手術を優先して行い、緊急性の低い診療や手術は最大限先送りしている。

 サムスンソウル病院は専攻医らが退職届を提出する動きが始まった19日に手術件数を10%減らしたのに続き、20日には30%まで減らした。セブランス病院と江南セブランス病院は手術件数を半分に減らし、ソウル聖母病院とソウル峨山病院も約30%縮小した。

 専攻医全体の3分の2以上が辞表を提出したことで、中止される手術の規模は今後さらに拡大する見通しだ。保健福祉部によると、20日夜の時点で全国の大型病院100カ所で専攻医の71.2%を占める8816人が退職届を提出。7813人が職場を離れたことが確認された。

 教授や専門医が診察や緊急・夜間の当直勤務などに投入されているが、時間が経過するにつれて疲労が重なり、限界を迎えつつある。

 ソウル大病院の各診療科は患者に対し、受診日程の変更を求めるメッセージを送っている。同病院の循環器内科を受診する予定だった40代の会社員は、26日に予定されていた診察がキャンセルされた。通院のために休暇を取り、1カ月近く待ったというこの会社員は、病院側から予約を来月に延期するよう言われたと明かした。

 ソウル聖母病院では通常通り外来診療が行われているが、医師の不在により待ち時間が長くなることが避けられない見通しだ。ソウル峨山病院は救急・重症患者を優先して予約を受け付けている。このほか、高麗大安岩病院、中央大病院の各診療科でも日程の調整を続けている。

 病院側に手術や診察をキャンセルまたは延期された患者らは、不満の声を上げている。大腸がんで23日に手術を受ける予定だった患者の家族は、20日に中止の連絡があったとして「ただの患者でもなくがん患者なのに、とても残念だ」と語った。