◇総選挙で最大野党「圧勝」 与党「惨敗」

 10日に実施された韓国の総選挙(定数300)は開票率約98%の11日午前5時時点で、革新系最大野党「共に民主党」が小選挙区(254議席)で過半数の161議席を確保した。4年前の前回総選挙(163議席獲得)に続く圧勝。保守系与党「国民の力」は小選挙区で90議席と上積みしたとはいえ、前回(84議席)とほぼ同様に惨敗を喫した。総選挙で3連敗となる。

◇総選挙「惨敗」に与党衝撃 トップはきょう立場発表 

 総選挙での惨敗という結果に、与党「国民の力」に衝撃が走った。10日午後6時の投票締め切り後、地上波3社の出口調査の結果が発表されると会場には重い沈黙が流れ、席を立った党執行部や候補は開票が50%以上進んでも戻らなかった。党トップの韓東勲(ハン・ドンフン)非常対策委員長は、選挙結果に対する立場を翌11日に発表することを決めた。通常は小選挙区の開票を見守る中で立場を明らかにすることを踏まえると、異例の対応だ。

◇総選挙で当選の最大野党代表「国政の後退止める」

 最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は11日、総選挙で自身が出馬したソウル郊外の仁川市桂陽区の選挙区で勝利したことを受け「私に対する地元有権者の皆さんの選択は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権に対する審判でもあり、党と私に対して国民生活の責任を負い、より良い世の中を作るようにという責任を課すもの」と強調した。「有権者の皆さんの要求通り国政の後退を止め、再び未来に向かって進むようにする」と述べ、地域社会がさらに発展し、「桂陽に引っ越したい」と言われるよう最善を尽くすとも強調した。

◇比例代表 与党は目標達成・元法相の新党が躍進へ

 総選挙の比例代表では、国民の力の比例向け系列ミニ政党「国民の未来」が目標の議席数を達成する一方、共に民主党が主導する野党陣営の「共に民主連合」は期待に及ばない結果に終わりそうだ。曺国(チョ・グク)元法務部長官が結成した「祖国革新党」は野党陣営の票を集めて躍進すると予想される。11日午前5時時点の地上波3社の予想によると、国民の未来は17〜19議席、共に民主連合は13〜14議席、祖国革新党は12〜14議席を獲得する見通しだ。

◇任期通じて「少数与党」に 尹大統領の国政運営「いばらの道」

 総選挙で与党が惨敗し、尹錫悦大統領の今後の国政運営は「いばらの道」となることが予想される。尹大統領は今回の総選挙で、野党が過半数の議席を握る少数与党という不利な政治的構図を打開し国政課題を軌道に乗せる構想だったが、惨憺(さんたん)たる結果に終わった。尹大統領が全国単位の選挙で敗北したのは今回が初めて。2022年3月の大統領選での勝利に続き、同年6月の統一地方選では与党が大勝を収めた。しかし、尹大統領の2年間の政権運営に対する国民の評価は厳しく、任期を3年残して今後の国政運営方法の見直しが避けられなくなった。

◇「親尹派」現役議員は大部分当選 与党惨敗も 

 与党「国民の力」が総選挙で惨敗したが、保守王国とされる選挙区から出馬した尹錫悦大統領に近い「親尹派」の現役国会議員は大部分が生き残ったことが分かった。親尹派の筆頭とされる李喆圭(イ・チョルギュ)議員は江原道の東海・太白・三陟・旌善で3選を果たした。権性東(クォン・ソンドン)議員も江原道・江陵で5選を決め、尹漢洪(ユン・ハンホン)議員も慶尚南道昌原市の馬山会原で3選した。

◇与党元代表の李俊錫氏が初当選 

 総選挙で、ソウル郊外の京畿道華城市の選挙区から出馬した与党「国民の力」の元代表で新党「改革新党」の代表を務める李俊錫(イ・ジュンソク)氏が初当選を確実にした。李氏は21年に36歳の若さで保守系の国民の力の代表に就任し注目を集め、22年の大統領選の勝利に貢献した。だが、事業家から受けた性接待の証拠を隠蔽(いんぺい)するよう教唆したとの疑惑や尹錫悦大統領と党への非難を繰り返したことなどを理由に1年6カ月の党員資格停止処分を受け、昨年12月に同党を離党。改革新党を立ち上げた。

◇李洛淵元首相が落選 

 総選挙で南西部・光州市の選挙区から出馬した最大野党「共に民主党」元代表の李洛淵(イ・ナギョン)元首相が落選した。李氏は大手紙の東京特派員などを務めた「知日派」で知られる。李洛淵氏は共に民主党の李在明代表中心の党運営を批判し、今年1月に同党を離党。新党「新しい未来」を立ち上げ、共同代表を務めている。李洛淵氏は出馬を表明した際、「韓国を回復させるためには尹錫悦政権を交代しなければならないが、李在明氏の民主党では難しい」と主張。新しい未来が政権交代の代案になるとして支持を訴えたが、敗北に終わった。