特撮マニアにとってバイブル的な作品が半世紀前の1971年からテレビ放送された「仮面ライダー」だ。その生誕50周年企画作品のひとつとして、実写版映画「シン・仮面ライダー」が2023年3月に公開予定であることが発表された。監督・脚本は「シン・ゴジラ」(16年公開)の庵野秀明氏が務める。タレント、プロレスラー、特撮キャラクターの収集家としても知られるコラムニストのなべやかんは、16歳だった35年前、仮面ライダー1号に扮(ふん)した若き日の庵野氏と1枚の写真に収まった「宝物」を披露し、その思いをつづった。

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 今年9月30日、都内の新国立美術館で「シン・仮面ライダー対庵野秀明展」合同記者会見が行われた。庵野監督が仮面ライダーを撮る!特撮ファンだけでなく、多くの人たちが期待する発表だ。それと同時に『庵野秀明展』も開催され、大きな花火が打ち上がったたようなもの。

 シン・ゴジラが公開され落ち着いた頃、日本の三大特撮であるゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダーを庵野監督が網羅するらしいという話を聞いていた。2019年、シン・ウルトラマンが発表され、期待が膨らむと同時に、「仮面ライダーはもっと先になるのか?」と思っていたが、シン・ウルトラマン公開前に発表になったのには驚きもあった。

 シン・仮面ライダー公式Twitterを観ていると、マスクを作っている過程がツイートされていたりする。マスク作りをしている人は個人的にものすごくリスペクトしている人で、彫刻技術も素晴らしいので期待度が膨らんでいた。そして『庵野秀明展』で展示されているシン・仮面ライダーを見て、「さすがだ!」とうなってしまった。

 シン・仮面ライダー&庵野秀明展のお披露目の時、ある写真を見て驚がくした。その写真とは、庵野監督が35年前に旧1号のコスプレをしている写真である。多くの人が「庵野さん、昔から仮面ライダーが好きだったのね!」という感想だったと思うが、自分は違った。「あれ?これってまさか…」そう思った直後、趣味関係の写真を入れている箱を漁った。発掘したポジには、この時の物だった。当時16歳の自分と庵野監督扮する旧1号が一緒に写っている。

 あまりの大興奮に自身のTwitterにツイートするも、興奮のあまり「ネガ発券」と間違えだらけを書いてしまい、多くの人から「ポジだろ」とか「発見だろ」とかご指摘を受けた。

 後日、Instagramにもその時のポジをアップしたので見ていただけるとうれしい。

 この写真は86年に発売された、宇宙船文庫(朝日ソノラマ)『仮面ライダー立体資料集』の写真撮影の時に撮られたものだ。80年代、特撮ファンを喜ばせてくれていたのが安井尚志さんだった。『宇宙船』や『ファンタスティックコレクション』を作ってくれた人で、『仮面ライダー立体資料集』は安井尚志さんと西村祐次さん(ソフビメーカー・M1号)が初タッグを組んだ書籍だった。自分も少しだけ協力をさせてもらったので撮影に立ち会えた。

 庵野監督の仮面ライダー姿を見て、あの瞬間に立ち会えた事が奇跡だと感じている。あれから35年、庵野監督が作る仮面ライダーがとても楽しみだ。

(コラムニスト・なべやかん)