パク・ソジュンと言えば、JTBC(Netflix)ドラマ『梨泰院クラス』(2020年)の主人公パク・セロイ役で、世界的に大ブレイクを果たした俳優であることは言うまでもない。

同作の日本リメイク版『六本木クラス(テレビ朝日系)』も好調とあり、本家作品とキャストに再び注目が集まっている。

そこで今回は、パク・ソジュンの代表作の中でも“隠れた名作”と呼び声が高い一作、映画『悪のクロニクル』(2015年)を紹介したい。

本作は、ソウルの警察署を舞台に、ある日を境に歯車が狂ってしまったエリート刑事の奔走を描いたサスペンス・スリラー。

主人公のエリート刑事チェ課長役は、tvN『クリミナルマインド:KOREA』(2017年)、映画『シークレット・ミッション』(2013年)など、話題作への出演が絶えないパク・ヒョンジュが熱演している。

幅広い役柄を演じることに定評のある彼は、ドラマ『梨泰院クラス』ではパク・ソジュンの父親役で登場し、パク・ソジュンとの再共演がファンの間で話題を呼んだ。

また、今や“マブリー”の愛称で親しまれている肉体派俳優のマ・ドンソクが同僚刑事役を、事件の真相の鍵を握る謎の人物役でチェ・ダニエルが登場するなど、豪華なキャスティングも大きな魅力である。

そしてパク・ソジュンは、後輩刑事のドンジュ役で出演。主人公チェ課長の不穏な動きを察し、独自に捜査を進める若手刑事を好演している。

公開当時、スターへの階段を上り始めていたパク・ソジュンは、本作で初めて主要キャストとして映画に出演した。プレッシャーもあったはずだが、持ち前のスマートなルックスと人懐こい笑顔で、見事に観客の心を掴むことに成功したと言えよう。

「僕は殺人鬼の息子だった‥」

雨降る夜、1人の少年のモノローグから物語は幕を開ける。

本庁への昇進も間近として期待されている敏腕刑事のチェ課長(ソン・ヒョンジュ扮)はある晩、タクシー運転手を装った謎の男に命を狙われるが、揉み合いの末、男を殺してしまう。

昇進を控えた自身の保身のため、チェ課長は証拠隠滅を図る。しかし翌朝、チェ課長が殺してしまった男の死体が、警察署の前にまるで見せしめのようにクレーンで高く宙吊りにされていた。

いったいなぜ命を狙われたのか、誰が死体を移動させたのか‥。動揺するチェ課長の思いとは裏腹に、警察への挑戦状であるとして、大々的な犯人探しが開始する。

皮肉にも捜査の指揮権を任されたチェ課長だが、その胸中は穏やかではない。自ら狂わせた歯車がバレないよう、事件の証拠となる防犯カメラの映像を隠すなど、不正に手を染めていく。

果たして、チェ課長は自らの殺人を隠し通すことはできるのか。誰も想像し得ない衝撃の真相が待ち受ける‥。

本作は、主人公が殺人を犯し、その事実を隠蔽するために奔走するという、緊迫感ある展開が持ち味の重厚なクライムサスペンスである。

パク・ソジュンはチェ刑事の良き部下として、慕っている上司の変化を心配すると同時に、独自で彼の不信な行動の裏側に迫っていくという難役を、見事に演じた。

ドンジュは事件の真相に関わりがあるのか、ドンジュの寂しげな瞳が意味するものとは‥? 全てのシーンを見落とすことなく、ぜひとも最後まで真相を追いかけて欲しい。

衝撃的なクライマックスに、きっと息を呑むだろう。

夏の暑さが落ち着き始め、間もなく秋の夜長が楽しめる季節がやってくる。

『悪のクロニクル』は、そんな季節にぜひ押さえておきたい隠れた名作だ。アマゾンプライムビデオ、U-NEXT、huluで配信中。

(投稿:島田元)

(Danmee/よろず〜ニュース)