東京・巣鴨のプロレスショップ「闘道館」では、1日朝にアントニオ猪木さんの訃報が伝えられてから、猪木さん関連グッズに注文や問い合わせの電話が殺到。同店の泉高志さん(46)は「注文が40〜50件来ている。Tシャツやパンフレットなど、自分の好きだった頃の猪木さんを思い出す史料として、ひとりで何点も買っていかれる」と話し、対応に追われていた。

 同店では、猪木さんの入場テーマ曲「炎のファイター」や、元妻・倍賞美津子の「いつも一緒に」を、店内BGMとして、エンドレスで3日間流すという。2019年に同店で行われた「ワールドプロレスリング」の元実況アナで元テレビ朝日の舟橋慶一氏トークショーのシークレットゲストとして猪木さんが来店。その時の様子を、泉さんは「だいぶしんどそうだったが、いざ猪木ボンバイエが流れると笑顔を絶やさず、アントニオ猪木のスイッチを入れているようだった」と振り返る。

 同店に並ぶ〝お宝グッズ〟の最高値は、猪木さんの日本プロレス時代のガウンで、440万円(税込)。生前、燃える闘魂が生涯のベストバウトとして上げていたドリー・ファンク・ジュニアとのNWA世界ヘビー級王座戦(1969年12月2日・大阪府立体育会館)で着用していたものだ。

 テレビ東京系の「開運!なんでも鑑定団」に泉さんが鑑定士として出演したのをきっかけに、出品者から購入を持ちかけられた。元は新日本プロレスの10周年記念大会で、猪木さんからファンに抽選で贈られたものだという。「買ってくれたらうれしいし、飾っておいてもずっと眺めていられる」と、店主としては複雑な心境をのぞかせた。

 猪木さんにあこがれ、同店を開いたという泉さん。スーパースターの死を、まだ受け入れられないといい「受け止め切れない。IWGPの舌出し事件じゃないけど、ウソだと言ってほしい」と、第1回IWGP決勝戦でのハルク・ホーガンとの激闘を引き合いに出して悲しみを表現した。

 都内から店にかけつけた会社員の斎藤成憲さん(45)は、プロレスファン歴35年。猪木さんが新日本の90年2・10東京ドーム大会での試合前に放った名言「出る前に負けること考えるバカいるかよ!」が、座右の銘だという。猪木&坂口タッグのイラストが描かれたTシャツを購入。「猪木さんは生きる原動力だった。会社のプレゼンの前は、闘魂のハチマキを巻いて臨んでいた。これからジワジワ来るだろうが、受け止めなきゃいけない。言葉だけじゃなく、プロレスや生き様で闘魂を表現してくれていた」と胸を痛めていた。

(よろず〜ニュース・杉田 康人)