コミュニケーション能力が高く、オシャレで、仕事もプライベートも充実した女性を指す言葉“キラキラ女子”。彼女たちのようなキラキラした生き方をめざそうと、悪戦苦闘する自称“内面ヨレヨレ女子”の姿を描いたエッセイ漫画『偽装キラキラ女子』が注目を集めている。

  キラキラ系女子社員が実に多いIT企業に入社した、作者のあい茶さん(@jyudenkireta)は、実際の経験をもとにその当時の戸惑いや息苦しさをユーモアたっぷりに描いていく。今回、あい茶さんにお話を伺い、当時の心境を赤裸々に語ってもらった。

 あい茶さんがキラキラ女子の洗礼を受けたのは、入社後すぐ。第一話のエピソードで“新入社員の勢いをアピールする”ことを理由に、ステージ上でAKB48のダンスを披露する仕事からスタートする。こうしたキラキラ過ぎるエピソードは枚挙にいとまがないが、すべて事実なのだろうか。「重要なのは共感していただけるようなリアルな感情を描くことだと思っていたので、感情を表現するために、実体験を描くことにはこだわらなかった、という感じです。どこまで本当でどこまで創作なのかも含めて楽しんでいただけたらと思います」と、あい茶さん。

 とはいえ、回を重ねるごとにキラキラ度が増していくストーリーと、描写の細やかさは創作とは思えない。もっとも印象的なシーンだったのが、慣れないキラキラした生活を過ごす中で、公共料金の支払いを忘れ、休日は半裸状態でリビングに横たわっている場面。決して、楽しいとは思えない生活の中で、あい茶さんは周囲のキラキラ女子について、どのような思いを抱いていたのか。

 「羨ましい気持ちもありましたが、みんながひとつの価値観を目指して勝負しているような息苦しさも感じていました。私自身、キラキラ女子だと思ったことは一度もないですし……。例えば、会社内での成功やモテ、美、結婚、出産のように、キラキラしているためにクリアしなければならないゴールがあるように感じていたんです。今思えば、自信がなかった自分や周りが勝手に“キラキラ女子”という概念を作り出して同質化しようとしていただけで、実はそんな人はどこにもいないのではないかと思います。みんな自分と同じように一人ひとり考えて悩んで生きてるんですよね。当時の同僚たちに共通項があるとすれば、“努力家”“前向き”“コミュニケーション能力が高い”とかでしょうか。私にはない部分なので見習いたいなと」

 男性読者にとっては女性の裏側をこっそり覗いているような気持ちになる、これらの作品。あい茶さんは今後、どのような創作に取り組んでいくのだろうか。「しばらく出産と育児でお休みしていたのですが、この春からマンガを再開しました。 『偽装キラキラ女子』は、新卒の女性が主人公でしたが、もうちょっと年齢を重ねた20代中盤や後半の女性を主人公にしたSNS連載をしてみたいなと考えてます。自分と同じように社会の中で生きづらさを感じる人も多いと思いますが、肩の力を抜いたり、小さな希望を見つけられるような作品を作れたらなと思っています。ぜひTwitterやnoteなどフォローして読んでいただけたら!」。

■■あい茶さん情報
 Profile.
第二子妊娠で休業したことをきっかけにiPadで育児や日常の4コマ漫画を描くように。初めてSNS上で連載した『偽装キラキラ女子』が大きな反響を得て、電子書籍化(コルクインディーズより、kindle、コミックシーモア、楽天kobo、honto、ebooks、book☆wolker、セブンネットなどで配信中)

(よろず〜ニュース特約・橋本未来)