福井県北部に位置する、池田町。約2200人が暮らすのどかな町に今、波紋が広がっています。「職場結婚したら、どちらかが退職しなければならない」という“内部規則”が、時代錯誤だと物議を醸しているのです。

福井・池田町 淸水龍司議員

(福井・池田町 淸水龍司議員)

「結婚というプライベートな内容に対して、役場が勧奨を行うこと自体が、基本的人権の尊重に反している。今の時代にそぐわない内容になっているので、今すぐにでも、やめていただきたい」

 こう語るのは、規則の撤廃を求め、2024年3月13日の町議会で声をあげた淸水龍司議員です。

福井・池田町 宇野邦弘議員

 池田町によると、この規則が始まったのは1993年。時代背景もありますが、当時は民間企業と比較すると役場職員の給料が高く、夫婦揃って高い収入を得ることに町民から疑問・批判の声があったことが、きっかけでした。

(福井・池田町 宇野邦弘議員)

「従来は、“片方が課長になったら、一方が辞める”。それがいつの間にやら、“結婚したら辞めてもらおう”という勧奨が始まりました。私も、何人もの『片方が課長になったので、辞めざるを得ない』という声を直接聞いています」

3度にわたる議論も、変わらず…

 実は、この規則については2024年3月のみならず、2017年・2020年と3度にわたり議会で問題を指摘する声があがりましたが、変わりませんでした。宇野議員は、「繰り返しこういう発言をせざるを得ない状況こそ、おかしい」と話しています。

 また、池田町は「この規則により辞職したのは3人(男性1人・女性2人)」としていますが、議員からは「3人以上の職員が辞めている」と指摘する声も。淸水議員は「役場の職員は約70人。職員が減ると業務負担も多くなり、住民サービスへの手が回らなくなる、悪循環も生まれる、デメリットしかない」、宇野議員は「労働者の権利を踏みにじる制度。いくら小さな町といえども、やめるべきだ」と訴えています。

時代錯誤を指摘する声も

 この規則について、東京では…。

(街の声)

「ちょっと古いんじゃないですかね。多様化の時代ですから」

「自由に恋愛ができなくなっちゃう」

「今の時代とは、ちょっと思えない。昭和の初期の話かなと思っちゃいます」

池田町は「現在も必要性がある」と譲らず

 しかし、池田町は「人事の配置上の制約、個人情報保護や守秘義務に基づくリスク管理など、退職勧奨の制度は、現在でも必要性がある。結婚しようという職員がいた場合、内規に基づき実施する」としています。

福井県知事からも疑問の声

 一方、福井県・杉本達治知事は3月21日、「職員同士が結婚すると、仕事がやりにくいとか、異動がやりにくいということも言われていたが、こういうことで物事を区別していくのは、適当ではない。現状において、そういう時代ではないといった趣旨も含めて今後検討し、助言させていただくことはあるかと思う」と話しました。

(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年4月5日放送)