「もうかるって言ったのに」損切り続出?新NISAに「だまされた」と思っている人は「投資に向いていない」
新NISA制度が1月からスタートし、投資信託や株式などへの投資を始めたという人は多い。
そんななか、3月には4万円台となっていた日経平均株価は今月、3万7000円台まで下落。
X(旧Twitter)上では「NISA」「損切り民」「株価大幅下落」がトレンドワード入り。
メディアでも『株価大幅下落で新NISA「損切り民」が続出?』(「テレ朝news」)といった報道も出始めている。
<新NISA損切り民>
<手を出さなかった人は賢明>
<貯蓄より投資と言われてだまされた。もうかるって言ったじゃないか>
<「新NISA始めないやつはバカ」みたいなこと言って煽動して、これ>
果たして、新NISAをやっている人は現在の株価下落を受けて「損切り」など何らかの対応をしたほうがよいのか。
つばめ投資顧問アナリストの佐々木悠氏はいう。
「1月から新NISAを始めた人のなかには、現時点で含み損となっている人もいるかもしれませんが、これくらいの幅の損益の上下は普通にあるレベルのものなので、慌てる必要や何かアクションをとる必要はありません」
「つみたて投資枠の人は、ある程度長期の保有を想定している人が多いでしょうから、長期の目線で冷静に構えることが重要です。また、成長投資枠で個別株の運用を行っている場合は保有する銘柄によって状況は異なってきますが、非課税保有期間に制限はないわけですし、この下落を契機として『長期で資産を増やすには、どうすればよいのか』という観点で保有銘柄を改めて振り返るとよいでしょう」
証券アナリストはいう。
「あえて厳しい言い方をすれば、この程度の下落で損切りうんぬんと騒ぐような人は投資には向いていません」
「つみたて投資枠の場合、先進各国の株式・債券・リートをバランス良く含んだ投資信託などであれば、10年単位の長期でみれば緩やかな右肩上がりとなり、大きく損をするリスクは低いので『特に何もせずにそのまま保有』というのが賢明な行動」
「企業の3月期決算の発表ラッシュとなる5月は株価変動が激しくなる可能性もありますが、こちらも長期でみれば一過性の動きにすぎないので右往左往する必要はありません。気を取られて本業の仕事に支障が出てしまうほうが、よほど損です」
では、新NISAはやったほうがよいのか。
「ある程度を新NISAで投資信託や株などで持っておくというのは、やったほうがよいと思います。また、新NISAは制度としてはよくできたものであり、一定額までなら利益に対して非課税なので、やれるならやったほうがよいというのが個人的な見解です」(佐々木氏)
「やれるならやったほうがよいです。銀行預金は今、事実上の金利はマイナス。一方、複数の先進国の株や債券などをバランスよく含んだリスク分散型の投資信託は長期保有すれば一定の利益が出るように設計されているので、他の保有資産とのバランスのなかで一定程度を新NISAに振り分けるというのは、やったほうがよいと思います」(証券アナリスト)
以上、Business Journalからお届けしました。
編集者:いまトピ編集部