2024/5/9 14:23

牛丼というより脂身丼…東京チカラめし、謎の新規出店「580円は高い」「意図がちょっと分からない」

牛丼

ピーク時には国内で130店を展開していた「東京チカラめし」、ご存知の方も多いだろう。
しかし現在は大阪日本橋店の1店舗のみ。

そんな中、5月7日に東京都内で新規店舗「東京チカラめし食堂」が“再オープン”し話題を呼んでいる。

東京チカラめしは、居酒屋「東方見聞録」「月の雫」「金の蔵Jr.」などで知られていた三光マーケティングフーズ(現SANKO MARKETING FOODS/以下、サンコー)が運営。

一般的な「煮る牛丼」ではなく「焼く牛丼」を武器に3大チェーンが牙城を占める牛丼業界に殴り込みをかけ、一時は500店舗の出店を計画していたが、売上が急減。

サンコーといえば過去に270円均一の居酒屋チェーン「金の蔵」で格安居酒屋ブームを牽引したことでも知られるが、一時期は約100店舗まで拡大したものの、こちらも現在は1店舗のみの営業。

外食チェーン関係者は言う。

「大量出店していた当時の東京チカラめしは、料理のクオリティが店舗によってバラバラで、何より店内の衛生面が酷かった。明らかに大量出店に人材育成をはじめとするあらゆる点が追い付いていなかった」

「すき家、吉野家、松屋は1000店規模で展開しているが、どの店舗に行っても料理の質が均一で店内がクリーンに保たれており、運営会社には高いオペレーションのノウハウが求められる。加えて大手牛丼チェーンも“焼き牛丼”メニューを投下したことで、東京チカラめしのオリジナリティーが失われ、一気に客離れが進んだ。」

そんなサンコーが今、起死回生をかけて取り組んでいるのが水産業だ。
出店ペースも東京チカラめしや金の蔵のように無理に速いということはなく、慎重かつ着実に出店を重ねている。

そして今月には、約10年ぶりに「東京チカラめし」を出店(正式店舗名「東京チカラめし食堂」)。
場所は都心の千代田区の九段第二合同庁舎地下1階。
気になるメニューは以下となっている。

・「焼き牛丼」並・大/680円、ごはん大盛り+具1.5倍/880円
・「ネギ焼き牛丼」並・大/780円 ごはん大盛り+具1.5倍/980円
・「キムチ焼き牛丼」並・大/850円 ごはん大盛り+具1.5倍/1050円
・(日替わり)カジュアル定食 650円
・(日替わり)ボリューム定食 750円
・(日替わり)彩定食 700円
・(週替わり)カレー 800円

この価格設定に、外食チェーン関係者はいう。

「大手牛丼チェーン各社は牛丼の並盛を400円台で提供しており、東京チカラめし食堂の680円はかなり高い。注力する水産業との相乗効果も見込めないし、平日のみの営業で合同庁舎とその周辺のオフィスワーカーくらいしか集客が見込めない場所なので、出店の意図がちょっと分からない」

では、肝心の商品はどうなのか。

「かつてはフライパンに肉を入れ、タレをまぶして豪快に焼き上げていたが、現在では網に乗せた肉を大型のグリル用機械に入れ、焼きあがった肉にタレをかけて提供している。これにより、余計な脂が落ちて、以前のような脂まぶし飯になっていない。だが、肉の脂身部分が多く、肉というよりは脂身を食べさせられている感覚になり、これでは『牛肉の脂身丼』だ」

「このクオリティーで580円という価格は高く、価格に妥当性があるとは感じられない。肉を焼いてご飯に乗せるだけなら自宅でも簡単にできるし、煙対策や後片付けの手間はあるものの、同じ金額でより質の良い肉をより多く食べることができるだろう」(重盛高雄/フードアナリスト/23年9月17日付け当サイト記事より)

東京チカラめし新店舗の集客ぶりが注目される。

以上、Business Journalからお届けしました。

東京チカラめし、10年ぶり東京に新規出店の謎…焼き牛丼680円の強気 | ビジネスジャーナル東京チカラめし、10年ぶり東京に新規出店の謎…焼き牛丼680円の強気 | ビジネスジャーナル

編集者:いまトピ編集部