修学旅行ドタキャン問題、「他にも1件ある」
Amazon東京・町田の中学校が、修学旅行を翌週に控えた時期に、旅行会社大手の近畿日本ツーリストから運行予定だった貸切バスの運行を断られるという事態が発生。
SNSの投稿によると、修学旅行が翌週に迫ったタイミングで、近畿日本ツーリストから「既に予約済みの1日目に利用するバス会社より、昨今のドライバー不足の影響により、貸切バスでの運行のお断りの連絡」があったと通知があったという。
さらに、ほかのバス会社に当たっても、ドライバー不足で代わりのバスを手配できなかったとしている。
SNS上では、「近ツーほどの大手でもバスドライバーの確保に苦労しているのか」と驚きの声があがっている。
ちなみに、同社は貸切バスの代替手段として、新幹線など鉄道での移動ルートを確保したとのことで、修学旅行自体は予定通り行われるようだ。
近ツーでは、ほかにも同様の事態が1件発生したという。
バス業界では、ドライバーを確保することが極めて困難な状況に陥っているようだ。
働き方改革関連法が成立した時点で、ドライバー不足がさまざまな問題を招くことは想定されており、“物流の2024年問題”と呼ばれ、危惧されてきた。
ドローンやロボットによる宅配や、AI(人工知能)を活用した業務の効率化などが模索され続けているが、ドライバーの不足は埋められていない。
それどころか、EC市場の急成長による宅配便の取り扱い個数の増加により、物流にかかわる人手不足は、ますます拍車がかかっている状況だ。
ドライバー不足は物流業界だけではない。
4月には横浜市営バスが、ドライバー不足から二度にわたって計367本の減便を余儀なくされるなど、社会生活にも大きな影響が出ている。
近畿日本ツーリストの 広報担当は、「今後のことについては不確定な要素が多いのでお話できませんが、人的リソースなどを含めたキャパシティーを考慮して業務を受注してまいります」と語っている。
近畿日本ツーリストといえば、業界でも大手の旅行業者。
提携するバス事業者も多いはずだが、その近ツーでも貸切バスの手配に難儀するという状況は、いかにドライバー不足が深刻になっているかを物語っている。
国が主導して対策を講じてほしいところではあるが…。
以上、Business Journalからお届けしました。
編集者:いまトピ編集部