大谷選手の家、勝手に放送か
Amazon23日放送のニュース番組『news every.』(日本テレビ系)は、米大リーグ・ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が購入したとされる邸宅の外観と周辺を映した映像を放送。
さらに周辺住民へのインタビュー取材を行い、結果的に大谷選手が引っ越してくることを周辺住民に明かすことに。
大谷選手本人の承諾を得ていないとみられるため、プライバシーの侵害に当たるのではないかという指摘や、この放送によって住居が特定されることで大谷選手夫妻が窃盗や誘拐などの犯罪に巻き込まれるリスクが高まるとの指摘が相次いでいる。
SNSでは、
<日本テレビに倫理観を求めるのはやめましょう>
<他人の家覗いて動画を拡散している>
<覗きと何も変わらない>
<もう昭和じゃない いつまでこんなことやっているのか>
<報道という名のパパラッチ>
<どうみても取材許可取っていない>
<プライベート嗅ぎ回っている>
と、多くの否定的なコメントが続出。
『news every.』の放送では、映像にはその外観も映し出されていた。
続けて、「敷地全体の面積は4000平方メートル」「備える設備も超ド級」「ジム、サウナ、シアタールーム」と物件の詳細を伝えた。
元日本テレビ・ディレクター兼解説キャスターで上智大学文学部新聞学科教授の水島宏明氏はいう。
「テレビ報道について研究している立場で判断すると、この報道だけですぐに明らかなプライバシー侵害でアウトといえるものではないが、ギリギリの微妙なケースだと評価する」
「一方、記者が車で邸宅の敷地のすぐ前まで行くことができることを明らかにするなど、報道機関として大谷選手および家族への配慮がない報道であることは間違いない。過激なファンなどがカメラ片手に敷地内に入りこんだり、上空にドローンを飛ばしたり、家族の行動を見張って何らかの標的にしたりするなどプライバシー侵害や犯罪リスクを生じさせる行為を誘発しかねない報道だということができる。『この放送を見て家族が強い不安を感じた』として大谷選手の側が法的手段を取ることもありうる報道だ」
大谷選手が真美子さんのプライバシーを大事に守ろうとしていることは結婚報道以来、一貫している。
他のテレビ局や新聞社など『配慮ある』報道機関はこのLAタイムズの報道を後追いしていない。
「今回の『news every.』の報道はただちにプライバシーの侵害とまでいえないが、だからといって『配慮した』報道とはとてもいえない。むしろ記者本人や放送した日本テレビの関係者の『思慮のなさ』を際立たせるものだと思う」
2023年の年間個人視聴率がゴールデン帯で1位になるなど視聴率好調を維持する日テレだが、改めて今、制作姿勢の見直しを迫られているのかもしれない。
以上、Business Journalからお届けしました。
編集者:いまトピ編集部