貨幣の表裏「とんでもない勘違いしてるかも」…半数近くが「逆に覚えてた」

「灯台下暗し」という言葉もあるように、人は身近な物事には案外注意を払っていないもの。それは、子供から大人まで当たり前のように使っている小銭(貨幣)も例外ではない。
今回は、日本人の約半数が誤解していた「貨幣の法則」について紹介します。
■貨幣の表裏、どっちか分かる?
貨幣の表裏はどのように区別するのか。
そこで今回は、全国の10〜60代の男女752名を対象として、貨幣の「表裏」に関するアンケート調査を実施することに。その結果は…。
いずれの貨幣にも記されている「製造年」(年号)を基準とした質問に対して、52.7%が「(製造年のあるほうが)裏」と回答し、47.3%が「表」と回答する結果となった。裏派がやや多いものの、ほぼ「真っ二つ」に分かれた形である。
続いては貨幣のルールについて、貨幣の鋳造を行う造幣局に、詳しい話を聞いてみることに。
すると、造幣局の担当者は「法律では貨幣の表面・裏面は決められていません」と前置き。その上で「しかし、造幣局では年号(製造年)が表示されているほうを裏面、その反対側を表面と呼んでいます」と、説明してくれたのだ。
貨幣の表裏の歴史は複雑で、担当者は「天皇の肖像に代わる『龍紋』のあるほうが表とされたり、反対に裏とされた時期もありました」「現在の法律では貨幣の表裏が明らかにされていませんが、貨幣を造る造幣局では製造の際に不便なので、1897年(明治30年)から、年号があるほうを裏、その反対を表と呼ぶようになりました」と、その経緯を語ってくれた。
これにて一件落着…と言いたいところだが、前出のルールを前提に全ての貨幣を眺めてみると、ある違和感に気が付く。何やら1種類だけ、浮いているように感じられるデザインが存在したのです。
違和感の正体は、ズバリ「五円玉」。
五円玉以外の5種類の貨幣では「500」「100」「50」など、その価値を表す算用数字が表示された側に、製造年がセットで記されている。
また表面(年号が無い側)には「日本国 五百円」「日本国 百円」といった具合に、「日本国 ◯円(漢数字)」という法則の元での表記が確認できるのだ。そのため、つい「算用数字が大きく書かれたほうが裏」「日本国 ◯円」と書かれたほうが表」といったルールを定めたくなるが…五円玉に限っては、これらのルールが全く当てはまらない。
「数字」と「製造年」はそれぞれ反対側に表示され、「日本国」表記とセットで表記されているのは「◯円」でなく、なぜか製造年。そして極め付けに、五円玉のデザインにはそもそも算用数字が採用されておらず…と、デザイン面において、他の貨幣との関連性や法則性があまりに希薄に感じられるのだ。
なお、各貨幣のデザインについて、造幣局担当者は「造幣局の職員が作る場合や、一般の方から図案を募集する場合がありますが、いずれにしても複数のデザインの中から選ばれ、最終的には政府の閣議で決定されます」と説明している。
そして、五円玉のデザインに関しては「1949年(昭和24年)に穴(正式には『孔』と表記)開きの黄銅貨として、『稲、歯車、水』と『双葉』のデザインで誕生しました。その後、1959年(昭和34年)に文字の書体が楷書体からゴシック体へと改正され、現在の5円貨のデザインとなりました」と、詳細を語ってくれたのだ。
担当者は「このように、数字や文字についても、その書体を含めた全てが貨幣デザインの一部であり、5円貨のデザインとして、算用数字の無い現在のものが選ばれました」とも補足していた。
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編集者:いまトピ編集部