トヨタ、逃げる
自動車業界で相次いで発覚している検査不正。
特にトヨタ自動車は悪質性が高いとの声が多い。
トヨタは、2022年の日野自動車を皮切りに、ダイハツ工業、トヨタ車向けディーゼルエンジンを生産する豊田自動織機と、グループ会社で不正が相次いで発覚。
国交省から指示されるまで自主的に調査していなかったことなどから、反省がないとの批判がある。
日野自動車やダイハツで不正が発覚した際には、「トヨタのシステムは不正が起こり得ない」などとトヨタには非がなく、あくまでもそれぞれの会社に問題があるとの姿勢だった。
ところが、トヨタの源流企業である豊田自動織機でも不正が明らかになり、そして今回、トヨタ本体でも不正が判明。
1月30日の記者会見で豊田会長は「(トヨタ本体の不正は)私の知っている限りない」と明言していたが、トヨタグループの“不正体質”が浮き彫りになったといっても過言ではない。
大手新聞社記者は今回不正が判明した5社のなかでも「トヨタは特に悪質」と断じる。
「それぞれのメーカーごとに言い訳はありますが、トヨタはクルマの安全性を試験し評価分析を行う機関であるJNCAPで高い評価を得るために、良い数字が出るように検査の手間を省いています。いわば“データの改ざん”を行っており、特に悪質といえます」
「豊田会長は会見で自社の不正を他人事のように話していました。さらに、自社の不正は棚に上げて、国の制度に問題があると言っていましたが、あまりにも無責任です」
これだけグループ会社で不正が続いても、トヨタは豊田会長の責任に言及する様子はない。
議決権行使助言会社のグラスルイスは豊田会長の再任に反対票を投じるように、株主に対して助言を送っている。
「日野自動車、ダイハツ、トヨタ織機の不正のほとんどは、豊田章男氏がトップに就いている期間に行われています。豊田氏の責任は免れられず、今度の株主総会では再任の賛成率は過去最低になる公算が高いといえます」
それでも、豊田会長が再任されることは既定路線なのだろうか。
「『引き続き調査を続行する』『再発防止の仕組みをつくる』といった方便に使って、会長職に留まることを株主に訴えかけるのではないでしょうか」
国交省は不正を行ったメーカー各社に厳しく責任を追及していく方針を示していが、トヨタが不正体質を改善するのは困難なのかもしれない。
以上、Business Journalからお届けしました。
編集者:いまトピ編集部