2024/7/5 18:55

セブンの弁当、ついに753円に値上げ

セブン

セブンイレブンの「牛カルビ弁当」が753円(税込、以下同)に値上げされ、「なぜこんなに高いのか」と大きな話題になっている。他社の牛カルビ弁当とも比較しつつ、セブンの弁当が高額になっている理由を探った。流通ジャーナリストは、肉とコメの価格高騰が背景にあると推測する。

セブンの「熟成だれの炭火焼き牛カルビ弁当」が7月2日、これまでの648円から100円以上の値上げとなる753円に価格が変更された。同社の発表によると、「原材料の高騰」が原因というが、内容量に変更がないなかで約16%の値上げに、消費者からは「高すぎる」と不満の声も出ている。

セブンの弁当といえば、これまでにも「上げ底」「ステルス値上げ」などネガティブな話題がたびたびSNS上で話題にあがりながらも、競合他社の弁当に比べて材料や味にこだわりを見せることで、高品質を売りに高価格でも一定の人気を保ってきた。それでも、今回の値上げにより700円の壁を越えたことで、拒否反応が少なからず出始めたといえる。

そこで、まず競合他社のカルビ弁当を比較してみよう。ファミリーマートは「特製ダレの炙り焼牛カルビ重」が638円。

ローソンは「直火焼牛カルビ弁当」が592円。

さらに、大手スーパーマーケット・イオンの「自慢の牛カルビ重」は594円。

使っている材料も違えば、内容量も同じではないから単純な比較はできない。さらに、セブンにも、もう1ランク下げた「炭火焼き牛カルビ弁当」という645円の商品もあり、他社と価格で競り合うことのできる体制も取っている。それでも、700円超えはセブンだけだ。

なぜこれほど高いのか。流通ジャーナリストは、次のように推測する。

「まず、コメの価格が急速に上昇しています。ここ1カ月ほど、仕入れ値が毎週5%程度上がっているような状況です。また、豚肉が品薄で、価格が高騰しています。豚肉の供給量が減っていることで、相対的に牛肉の需要が増え、引っ張られるように価格が上がっている状況といえます。しかし、仕入れ値が上がったからといって、すべての弁当の販売価格を一斉に上げることはリスクが高いため、セブンでは一部の商品で値上げをしてみて、消費者の反応を探っている可能性があります。

 実際に、最も仕入れ値が上がっているはずの豚肉の弁当でも、大幅な値上げはしていません。たとえば、『ねぎ塩だれの豚カルビ弁当』という人気商品は、牛カルビ弁当と同じタイミングで価格を変更していますが、500円から520円へと20円の引き上げにとどまっています。また、1ランク低価格の『炭火焼き牛カルビ弁当』は値上げを見送っています。

『熟成だれの炭火焼き牛カルビ弁当』のほうは高級志向の客向け商品のため、値上げへのアレルギーが低いと考えられ、大幅な値上げに踏み切ったのではないでしょうか」

実は今回、値上げを見送っている「炭火焼き牛カルビ弁当」は、長らく根強い人気を誇っている商品だが、2021年10月以前は460円だった。たて続けに値上げされて645円になっている。食糧需要の増加やエネルギー価格の高騰など、物価上昇は世界的な傾向にあり、各企業も対応に苦慮している。

とはいえ、いまや庶民の食生活に欠かせない存在のコンビニ弁当は、価格上昇が家計に直接影響を及ぼしかねない。高級志向商品が値上げされるのであれば、一部でも値下げしたり、安く仕入れられる材料で低価格商品を発売するといったバランスをとってもらえるとありがたい限りである。

以上、ビジネスジャーナルから紹介しました。

セブン・牛カルビ弁当、753円に値上げ→原価高騰の豚カルビは据え置きの理由 | ビジネスジャーナルセブン・牛カルビ弁当、753円に値上げ→原価高騰の豚カルビは据え置きの理由 | ビジネスジャーナル

編集者:いまトピ編集部