「デパ地下」を「デパ地上」に…食品売り場は「7階にございます」
西武池袋本店が、地下階の食品売り場を地上7階に移動させ注目を集めている。
「デパ地下」という言葉があるように、「百貨店の食品売り場といえば地下」というのが常識だが…。
そもそもなぜ食品売り場が地下階と決まっているのか?
流通ジャーナリストの西川立一氏によると、
「実務的な理由としては、食品売り場には水回りの施設などが必要」
「集客面では、特に駅直結の百貨店の場合、改札口を出てすぐにアクセスできる場所に消費者の利用頻度が多い食品売り場を置いて集客し、上の階に客を回していく噴水効果」
の2つの理由があるという。
では今回、西武池袋本店が常識に反して食品売り場を上層階に設置するメリットは考えられるか。
「食品売り場目当てで来店した客が、エスカレーターで降りる途中で“ちょっと興味が湧いたから”ということで別のフロアに立ち寄って購入につながるという逆噴水効果が見込めるかもしれません」
「ただ、お客からすれば百貨店の入口から食品売り場が遠くなって利便性が悪くなるので、『だったら自宅近くのスーパーで済ませよう』となって販売機会のロスにつながるデメリットのほうが大きいのではないでしょうか」
今後、上層階での食品売り場営業という取り組みが、別の百貨店でも広まっていく可能性はあるのか。
大手小売チェーン関係者はいう。
「広まっていく可能性はないと思います。基本的に食品という商材は、消費者側からすると“ぱっと買って、すぐに帰りたい”という購買行動の傾向が強いので、タイパ重視の今の消費者がわざわざエスカレーターに乗って上の階にまで食品を買いに行くとは考えにくい」
「上層階で食品を買ったお客が下に降りる途中で別のものを買うというシャワー効果は、あまり見込めないのではないでしょうか」
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編集者:いまトピ編集部