田舎の空き家「0円物件」物件価格は本当にタダ「リフォームしてもお得すぎるって」
過疎化が進む地方で大きな問題となっている「空き家」。総務省が発表した「令和5年住宅・土地統計調査」によれば、昨年10月時点での全国の空き家総数は900万戸。しかも、このうち42.8%は、販売・賃貸用ではなく、居住者が長期にわたって存在しない住宅で、いわゆる「放置物件」と呼ばれるものだ。
その大半は築年数が経っており、建物の資産価値はほぼないといっていいものばかり。かといって解体するにも相応の費用がかかることや、更地にしても地方では買い手がつくか微妙なため、結局、放置したまま、というケースも多い。また、相続放棄による空き家も急増している。
そうした物件を少しでも減らそうと各自治体が取り組んでいるのが「空き家バンク」。不動産会社が扱う一般的な中古物件よりも価格が安く、なかには販売価格が「0円」という物件も存在する。本当にタダで住宅が手に入れられるのか。
「物件価格が0円でも、名義変更にはお金がかかります。個人で行えば安く抑えられますが、司法書士に頼むのが一般的で、その場合の相場は15~20万円になります」(不動産業界紙記者)
さらに贈与税も発生し、土地・建物の価値が基礎控除額の110万を上回ると支払い義務が生じる。加えて固定資産税や不動産産取得税の他、地方でも市街地だと都市計画税が必要な場合もある。
「また、0円物件は老朽化や長期間の放置で傷んでいるため、実際に住むためにリフォームが必要なケースがほとんどです。家の大きさや程度にもよりますが、一戸建てだと総額500万円以下に抑えるのは難しいですね」(前出・記者)
0円としていながら、500万円のリフォーム代に諸費用と税金…これはお得な買い物と言えるのか。実際にこうした空き家バンク制度を利用して0円物件を手に入れたという40代会社員のTさんに聞いた。
「水回りや電気など最低限の部分だけ業者に頼み、あとは自力で修繕しました。名義変更や税金なども含めた総費用は400万円ほど。ただ、リフォーム前提で考えれば、0円物件はコスパに優れていると思います。もろもろの費用込みでも不動産会社が扱う中古物件よりもお得ですから」
ある程度の初期費用は必要だが、破格の値段で土地と家が手に入るのは事実。立地や周辺環境などの条件が合えば検討する価値はありそうだ。
以上、アサ芸ビズから紹介しました。
編集者:いまトピ編集部