セブン失速…「まいばすけっと」に客が流出?
コンビニエンスストアチェーン業界1位のセブン-イレブンが“一人負け”の様相を呈しているのではないか、という声が広まっている。
24年6〜8月度の既存店売上高がすべての月で前年同月を下回ったのだ。
・6月度:前年同月比99.5%
・7月度:同99.4%
・8月度:同99.8%
ちなみにファミマとローソンはすべての月で前年同月比増となっており、減少はセブンだけにみられた。
流通アナリストの中井彰人氏はいう。
「消費者がこれまで以上に価格に敏感になり、格安スーパーや低価格な食品を扱うドラッグストアの売上が伸びており、リーズナブルな価格設定に定評があるイオンのプライベートブランド(PB)『トップバリュ』も伸びています」
「うした業態と比較してコンビニ商品の価格は割高で、値引きも行わず、あまり価格を意識しない層や時間がないので多少高くても急いで購入したいという層をメインの顧客ターゲットとしてきましたが、消費者がこれまで以上に価格の絶対値を意識するようになり、特にコンビニのなかでも高価格帯というイメージが強いセブンの売上に影響が出てきた可能性が考えられます」
「ファミマとローソンは価格据え置きの増量キャンペーンを展開するなど、価格を意識した取り組みを行ってきましたが、セブンはその点では遅れてしまったという要因もあるでしょう」
「あくまで推察ですが、イオングループのミニスーパー『まいばすけっと』に客が流れている可能性も考えられます。セブンの近隣にあったファミマやローソンが撤退した場所に『まいばすけっと』が出店するケースは少なくないですが、これまでセブンを頻繁に利用していた客が、価格を意識するようになり、トップバリュをはじめとする低価格の商品が並ぶ『まいばすけっと』に流れるという現象が起きているのかもしれません」
消費者の価格に対する意識が以前より厳しくなっているのは歴然だ。
「セブンはコンビニを進化させたミニスーパー型店舗、具体的には『まいばすけっと』よりも大きく品揃えを豊富にした店舗の展開を計画しており、コンビニ市場よりも大きなスーパーの需要の取り込みを狙っています。これはセブン&アイグループのスーパーストア事業に生鮮食品を扱うノウハウを持っているからこそできることで、ファミマとローソンには無理な芸当です」
セブンに異変が訪れているとはいえ、セコンビニ業界におけるリーディングカンパニーという位置づけが揺るぐことは当面ないといえる。
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編集者:いまトピ編集部