2024/10/21 13:01

星野リゾート「大学1年生にも内定」→「薄給で使い捨て」は誤解「双方にメリットのある採用方法かも」

新入社員

星野リゾートが10月から大学の学年に関係なく入社試験を受けられるようにすると発表し、大きな話題になっている。

なんでも「大学1年生にも内定を出す」というのだ。

ホテル業界では慢性的な人手不足が続いている。
その理由としては、不規則な就労時間や、休暇の取りにくさ、残業時間の多さなどが指摘されている。
そんななかでも、星野リゾートに対しては厳しい見方が多く、SNS上では、批判的な声が続出している。

「早期採用で人材確保とありますが、明らかに何かズレてます。人手不足なのは『薄給激務でも黙って働く都合のいい人』が足りないだけです。それなのに賃金を上げるわけでも福利厚生を充実させるわけでもなく、若者を騙す感じで採用するなんて姑息で卑怯だと思います」

「星野リゾートって、人件費が安い若手をこき使ってコスト下げて、ボロい建物を表面上だけ改修し、客は”高級宿”を知らない層で『わー!星野すごーい!』って盛り上がる、政商・星野社長の金儲け組織。若手が働いてもキャリア形成途中で詰みそうなイメージしかないし、低賃金業界なので行きたくはない」

この「星野リゾートは薄給で社員を使い捨てするから、いつでも人手不足」という声に対し、元星野リゾート社員に話を聞いた。

「まず、『薄給激務』との批判ですが、そんなことはないと思います」

「星野リゾートは複数のブランドを展開していますし、リゾートごとにも差はあると思いますが、他のホテルチェーンよりも著しく給料が低いとはいえないでしょう。ほとんどの人が年収300万円台~400万円台なので、決して高くもないですが、批判されるほどではないと思います」

「基本給が月20万円台で、ベースアップもあまりなかったので薄給と言われてしまうのかもしれません。最近はベアもしていますし、きちんと働いていれば、賞与で反映されますね」

「『人件費が安い若手をこき使ってコスト下げて、ボロい建物を表面上だけ改修』という部分も、完全に思い込みですね」

「均勤続年数が男性10.1年、女性6.9年なので、中高年層は多くありませんが、“若手を使い捨てしている”という感じは受けないですね。社員やスタッフはコミュニケーションをよくとるので、職場の雰囲気も良いです。さらに、建物の建築や設計、インテリアなどは細部に至るまで非常に凝っており、手抜きや表面上だけ取り繕っているということはないです」

元社員の視点では、そんなにブラックはなく、業界内の他社を比較して悪くはないという印象のようだ。

元他社ホテルマンで、現在はホテル業界でアドバイザー・コンサルタントを行っている人物が語る。

「星野リゾートが大学1年にも内定を出すのは、早期の採用活動で優秀な人材を獲得したいというのが本音でしょう。人手不足で、人材の奪い合いはあらゆる業種で起きています」

「これから4年間を浪費する可能性のある大学1年生を青田買いすることで、成長の手助けをして入社してもらう、というのが筋書だと考えられます」

星野リゾートの狙いとしては、人材不足で優秀な人材の獲得競争が過熱していなか、ポテンシャルの高そうな学生を囲い込み、4年間の成長をそばで見守ろうということではないか、との分析だ。

学生としても、1年生のうちに内定をもらい、インターンシップなどで卒業まで会社と交流を深めておけば、入社後のミスマッチなどは起きにくい。

批判も多いのは確かだが、学生と企業、双方にメリットのある採用方法なのかもしれない。

以上、その他詳細はBusiness Journalからお届けしました。

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編集者:いまトピ編集部