松屋「500円でこれは…」逆に驚き
Amazon牛丼チェーン「松屋」が一部店舗で10月23日に発売した新商品「とろたまソーセージ丼」。ご飯の上に卵焼きと半分に切ったソーセージが乗って500円という強気の価格設定と商品内容が話題を呼んでいる。そのクオリティ、そして価格妥当性をどう評価すべきか。実際に試食した専門家の見解も交えて追ってみたい。
フードアナリストの重盛高雄氏はいう。
「松屋は『牛焼肉定食』(840円)などの鉄板焼き系メニューやさまざまなバリエーションのハンバーグメニューなど、牛丼以外のメニューのラインナップを充実させることによって、他の牛丼チェーンとの価格競争に巻き込まれることを避けようとしていると考えられます。今回の『とろたまソーセージ丼』も、その戦略のなかの一アイテムといえるでしょう」
「とろたまソーセージ丼」は「とろ~り仕上げたたまごとチーズにソーセージものせちゃいました」と謳われた丼もの。松屋の公式サイトに掲載された商品画像では、ご飯の上に“とろふわ”状のエッグ、トロけたチーズ、ソーセージが乗り、ブラックペッパーがかけられている。販売時間は5時から11時までの朝食メニューであり、味付け海苔、味噌汁、お新香がついて500円となっている。実食した重盛氏はいう。
「結論からいうと残念な商品といわざるを得ません。ソーセージは市販サイズ1本分を半分にカットしたものが4個乗っているので実質2本、卵は火がしっかりと通っているためフワフワでもトロトロでもなく硬く、チーズは見た目的にも味覚的にもほとんど存在を感じられません。親子丼のように鶏肉と卵が絡み合って一体感が醸し出されているということもなく、単に卵焼きの上に温かいソーセージが乗っかっているという食感です。料理は見た目も重要ですが、一見するとチーズがあることに気が付かず、もう少し形がはっきりしたシュレッドチーズなどをかけたりして、食べる人に視覚的にアピールするような工夫をしてもよいのではないでしょうか。卵を“ふわとろ”になるように焼くには、それなりのスキルが必要なため、調理する店員のスキルによってバラツキが生じてしまうという事情はあるかもしれません。
松屋の最近の新商品は、お客が注文する際に期待するイメージと乖離している商品が増えていると感じます。たとえば9月に発売された『ごろごろチキンのバターチキンカレー』は、注文するお客はチキンにカレーとバターの味がしっかりとしみ込んでいると期待しますが、十分に煮込まれているとはいえず、カレーのなかにポンとチキンを置いただけという印象で、味がバラバラでした。『とろたまソーセージ丼』も同じような難点を抱えています。
外食チェーン業界では今、“朝食戦争”ともいえる現象が起きており、各社はワンコイン=500円以下で消費者に付加価値を感じてもらえそうなメニューの投入に力を注いでいます。今回の新商品も朝食メニューとして新奇性のある商品を提示して集客を狙っているのだと考えられますが、『500円出して、これなのか』というがっかり感が強く、逆の意味での驚きを感じてしまいます」
以上、ビジネスジャーナルから紹介しました。
編集者:いまトピ編集部