マンション「このままだとスラム化」…住民2000万円負担でも「建て替え不可99%」
一般的にマンションは定期的に修繕を行う計画が立てられ、区分所有者は毎月、修繕積立金を負担し、管理組合が積立を行う。
一方、建物自体の耐用年数があり、RC造の減価償却耐用年数は47年、現実的には物理的耐用年数は概ね60数年といわれている。
つまり、修繕を重ねていても施工から一定の年数がたつと建て替えを行う必要があるのだ。
しかし現実的には建て替えができないまま時間が過ぎてしまうケースが少なくないという。
現在、建設費用の高騰の影響などで、関東・関西のマンションの99%は、一戸当たり2000万円を負担しても建て替えができないという試算が注目されている。
オラガ総研代表取締役の牧野知弘氏は語る。
「体感的には建設費はここ数年、3~4割ほど上昇しており、加えて建物の解体費用の高騰も重なり、費用の問題で建て替えができないマンションが増えていると感じます」
「容積率に大きな余裕があったり、隣接する場所に建物を大幅に拡張できる敷地を保有しているといった例外的な事情がある場合を除き、区分所有者は数千万円単位の負担を強いられることになります。一戸当たりの負担額を低くするために、建て替え後に専有面積が半分ほどになってしまうというケースも出てくるかもしれません」
また、建て替えができない理由としては費用の問題だけではないという。
「「老朽化が進むマンションの住民には高齢者が多いという傾向がありますが、そうした高齢世帯のなかには高額な建て替え費用を負担する経済能力がなかったり、『放っておいてほしい』『一生ここで暮らすつもりなので建て替え費用など負担したくない』という人もおり、管理組合で5分の4の賛成を得るためのハードルは高くなってきます」
今後、建て替えができないマンションが増えると、どのような事態となる可能性があるのか。
「すでに一部の老朽化したマンションでは、外国籍の住民や素性のよくわからない住民が増えたり、所有者が不明の住戸が増えたりするということは現実化しています。それを踏まえれば、スラム化したマンション、そしてスラム街のような場所が日本でも増えていく懸念があります」
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編集者:いまトピ編集部