2024/11/20 13:00

メルカリ、ただの「お気持ち」表明…これから考えます?

メルカリ

メルカリで返品詐欺が相次ぎ、運営元が購入者の主張を鵜呑みにして定型的な対応を繰り返すことによって出品者が商品を取り戻せなくなるというケースが続出している問題。

メルカリは17日、リリースを発表し、以下のように説明。

「お客さまサポートの方針と体制の見直し・強化が必要であると考えております」

「お客さまが不利益を被ることがないよう、随時対応をアップデートしてまいりますので、しばらくお待ちください」

これについてネット上では、

「具体的に何をするのか」

「意味のない声明」

「お気持ち表明」

「今までも同じようなことがあって、ずっと無視されてきた」

などと厳しい反応も目立っているようだ。

なぜメルカリ運営元は“まずい対応”を繰り返したのか。
経済評論家で百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏は語る。

「メルカリの問題の根幹には、設立当初からプラットフォーマーとして『個人間の取引にメルカリ側は一切関与しない』というルールを設定したことがあります」

「これは多くのプラットフォームがリスク回避の目的で設立当初に設定するルールであることは事実で、ベンチャーの起業としては別におかしいことではないのです」

ただ、メルカリが大きくなるにつれて2つの問題を抱える事態になったという。

「ひとつはパーセンテージとしては少ないけれども一定人数のユーザーが出品者ないしは購入者の立場で詐欺的な取引で被害にあってしまい、その恨みが少しずつ積みあがったことです」

「そしてもうひとつが『取引に関与しない』という原則がいつの間にか変節して、詐欺を行う人に有利なルールになっていたことです」

取引に関与しないのであればトラブルが解決するまでの間、購入代金をメルカリが凍結すれば、まだ中立といえたかもしれないのだが…。

「ところがメルカリは購入者側にたって取引をキャンセルしてしまいました。この対応が一般に行われてしまえば、購入者側が詐欺を行えば、正直な出品者が損失を被り、詐欺を行った側が得をする仕組みになります」

「『取引に関与しない』ルールのはずがいつの間にか、詐欺側に有利な形でメルカリが取引に介入している事例が増加したことが今回の炎上につながりました」

「SNS上に投稿された事例がすべて正しいかどうかはわかりませんが、これだけの数の事例が証拠のスクリーンショットとともに投稿され、それで世論が炎上したところを考えると、メルカリの対応として利用者に不利益な対応が少なからず繰り返されてきたことが問題をここまで大きくしてしまったように感じます」

「もっと早く消費者の声に耳を傾けていれば、このような事態は招かなかったものと考えられます」

中堅IT企業役員は語る。

「今回のリリースで少し驚きだったのは、『こういう具体的な対策を取ることになりました』という説明ではなく、『対策をこれからきちんと考えます』となっている点です」

「以前からユーザーによる同様のトラブルの報告はみられており、メルカリも大企業化して動きが遅くなっているという印象を受けます」

「今回の声明の文面から読み取ると、件数自体は多くはないため、事務局としても重く受け止めていなかった可能性や、そのため経営の上層部にまで報告が上がらずに社内で問題が共有されていなかった可能性が考えられます」

「SNS上でここまで炎上状態に発展していなければ、問題が放置されたままになっていた可能性すら感じます」

「また、メルカリという企業はテック志向で、強さの源泉が高いIT技術力にあるという特徴があるため、サポート部門・業務というのが社内で軽視されがちな面があったのかもしれません」

今後もメルカリの対応に注目が集まる。

以上、その他詳細はBusiness Journalをご覧ください。

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編集者:いまトピ編集部