山崎製パン「値上げラッシュの裏で過去最高益「暴利をむさぼっている」「便乗値上げ」批判の声も→専門家「もっと利益を上げてもよい」
Amazon原材料価格・エネルギーコストの上昇を受けて値上げが進む食品業界で、大手製パン会社・山崎製パンも直近3年間で4~9%程度の値上げを複数回にわたり実施。
10月29日には一部商品を平均5.6%値上げすると発表し、その理由について原材料・人件費・エネルギーコストなどの上昇のためと説明。
だが、同社は前年度(2023年12月期)連結決算で過去最高益を更新しており、今年度(24年12月期)も過去最高益を更新する見通しとなっていることから、「暴利をむさぼっている」「物価上昇で消費者の家計が苦しいなか便乗値上げによって高い利益をあげている」という批判的な声も出ている。
経営コンサルタントで未来調達研究所取締役の坂口孝則氏はいう。
「直近四半期である24年12月期第3四半期と前年同期を比較してみると、売上原価率は横ばいとなっており、値上げによって、より大きな利益を確保しているとはいえません。また、販管費比率はやや下がっていることから、さまざまな面で経費を抑制する経営努力の結果として利益の増大を実現していると考えられます。」
「主要原材料の小麦粉の価格は高止まりしており、物流費・人件費の上昇や人手不足が続いていることを踏まえれば、妥当な値上げといえます。」
同社の売上高の規模を考えると、利益水準は決して高くはないという。
「売上高営業利益率をみると、わずか4%程度であり、他業種も含めた一般的な企業の数値と比較しても、どうみても暴利をむさぼっているとはいえません。むしろ、もっと利益を上げてもよいのではないかとすら感じます。これも、利幅が低い低価格商品を数多く扱っていることが要因だと考えられます」(坂口氏)
以上、ビジネスジャーナルよりご紹介しました。
編集者:いまトピ編集部