交通事故、保険会社は信じるな…「弁護士入れたら倍くらい取れた」
交通事故に遭った際、保険会社に言われるままに保険金の支払いを受けると大損する可能性がある、という。
「僕は交通事故でバキバキのカスタムバイクが全損になって、100万円で示談してあげようと思ったら減価償却の話を持ち出してきたので、すぐ弁護士を入れました。結果的に車体+用品で100万円、慰謝料100万円で合計200万円ほど取れました。保険会社は100万円で手打ちしておけばよかったのに」
そんなX上のポストが波紋を呼んでいる。
この投稿主は、横断歩道を渡っていたところ、右折してきた軽自動車に突っ込まれて自転車が全損する事故に遭ったという。
保険会社も過失割合は軽自動車側が10割と認定。
問題は、補償額だった。
投稿のなかで「減価償却の話を持ち出してきた」と言及しているが、一般的に保険会社は損害を受けた自動車や物品の価格を算定する際、「法定耐用年数」による減価償却の割合を乗じる。
自転車の場合であれば法定耐用年数は2年なので、単純に考えると、購入から2年が経過した自転車は価値がなくなるといえる。
おそらく、この保険会社は被害者が「100万円でいい」と善意で提示した金額を、“吹っ掛けている”と感じて突っぱねたのだろう。
だが、保険会社が第三者機関の専門家に鑑定を依頼したところ、被害者側が要求する被害額を「ほぼ全額認めてくれました」という。
その結果、自転車に関する代金が100万円、慰謝料が100万円、計200万円に上ったわけである。被害者が当初に提示していた100万円という金額が極めて良心的だったことがわかる。
交通事故を専門に扱う損害保険会社の社員は語る。
「保険会社も慈善事業ではないので、出費を極力抑えたいのは事実です」
「一概にはいえないのですが、支払いが“渋い”会社は業界内でも有名です。交渉する際に、相手方がその保険会社だった場合、“面倒だな”と思います。まず、過失割合の確認でかなり揉めます」
「一般的に過失割合と損害賠償額は、過去の判例をまとめた資料、通称“赤本”を基にして算定するのですが、ものすごく屁理屈をこねて過失割合を低くしようとしてきます。しかし、それに対して証拠を積み上げて相手方の過失を指摘し、さらに損害額を提示します」
この損害額も激しく揉める点だという。
「支払う側としては最小限に抑えたいので、保険会社側から提示するのは、まずは物的な損害に対する修理費だけです。それも、被害者側が修理業者などに依頼した見積もりは信用せず、独自基準で修理代を算定するので、大きな隔たりが出ることもしょっちゅうです」
「ケガなどがあれば治療費、通院代、休業補償、慰謝料、代車代などについては、被害者側から請求しないと、保険会社から提示しないケースもよくみられます」
「むしろ、物的損害に対する修理費よりも、これらのほうが多額になることもあるので、最初に保険会社が提示する金額と、最終的に支払われる額に大きな隔たりが生じたりするのです」
「これらの適切な保険金を受けるためには、海千山千の保険会社に対して、何も知識を持たずに交渉してはいけません」
「できれば、弁護士を入れて必要な費用を漏らさずに算定し、相手に請求したほうがいいでしょう。交渉が長引けば、相手方も弁護士を入れることがあるので、その場合はなおさら、弁護士に依頼するべきです。自動車保険などに加入・更新する際には、弁護士特約を付け、事故に遭ったら弁護士に依頼するのが最善策といえます」
交通事故で加害者になった場合には過失割合を低くしてくれる保険会社を頼もしく思うかもしれない。
しかし被害者になった場合のことを考えると、保険会社には少しでも手厚い補償をしてもらいたいところである。
以上、その他詳細はBusiness Journalをご覧ください。
編集者:いまトピ編集部