スポンサー、CM放送中止分の料金は「支払わない」
幹部社員が女子アナウンサーを接待や懇親会の席などに同席させていた疑いが浮上しているフジテレビジョン。
50社に上るとみられるスポンサー企業がCM放送を見合わせ、番組内のCM放送時間帯にACジャパンの映像が頻繁に流れる事態となっている。
広告を出稿する企業としては、契約で定めた放送回数に満たない、もしくは放送されないにもかかわらず費用を支払うことになるが…減額や返金、損害賠償を要求することはできるものなのか
山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士は語る。
「キー局との間の広告放送契約は、局側もスポンサー側も、一定の事由が発生した場合のCM放送停止の措置やその場合の違約金等の金額をあらかじめ定めています」
「局側に今回のような不祥事が発生した場合、当然、スポンサー側はイメージ維持のためにCMの放送を拒むでしょうから、当然、その分のスポンサー料金は支払いません。なお、過去分については、実際、CM放送しているわけですから、過去分のスポンサー料金の返還を求めることは想定されていません」
これとは別に、スポンサー側は、局側の不祥事を理由に、自らCMの放送を拒んだわけですから、そのCMの商品の売れ行きが悪くなったといったことが生じても、あらかじめ『こういう場合は違約金を幾ら払う』といった取り決めがない限り、これを理由とする損害賠償は認められません」
つまり、「スポンサー企業はイメージ維持のためにCMの放送を拒むため、当然、その分のスポンサー料金は支払わない」ということになる。
広告代理店社員によると、もっとも、実際には“現実的な対応”が取られるのではないかとのことだ。
「「スポンサー企業も今は世間的な反応を考慮して厳しい姿勢を示す必要があるということでCMを見合わせているが、フジとはこれまでの長年のお付き合いもあるし、将来的にはフジも経営体制を刷新して正常化すると考えられるので、CM放送は再開するだろう」
「よって、実際には両者の担当者間で協議して、フジが、CM放送されなかった分の減額をするといったかたちに落ち着くのではないか」
「ただ、当面はフジに新規に広告を出稿する企業は出ないし、仮にその状態が1年続けばフジの経営は非常に厳しくなってくる。また、一度スポンサー企業が離れてしまうと、再開してもこれまでと同じ水準の広告出稿には満たないかもしれない」
今後の動向にも注目が集まっている。
以上、その他詳細はBusiness Journalをご覧ください。
編集者:いまトピ編集部