日本初「〇〇ができるバス」3月4日から
1990年代に大ヒットした北海道のローカル番組「水曜どうでしょう」は、当時まだ無名だった俳優の大泉洋が深夜バスで日本各地を旅する「サイコロの旅」が人気だった。
夜通し走り続けるバスの中はかなり過酷な状況で、大泉から、「腰とか背中とかお尻とかね、イタイの」と悲鳴が上がったものだ。当時の深夜バスにはドリンクホルダーや備え付けのスリッパすらない車両もあり、旅慣れた大泉ですら、深夜のバス移動は苦痛だったようだ。
あれから四半世紀以上が経過し、ついに日本初の「寝台バス」が運行することになった。高知県のバス会社「高知駅前観光」が実証運行を3月4日に開始すると発表したのだ。
「寝台バスとは、言ってみれば、フルフラットになる座席を有するバスを意味するのですが、これまで日本では、『完全に横になって眠るサービス』は保安上、認められていませんでした。一方で、深夜移動へのニーズも高く、それらを受け、国土交通省は、『2点式座席ベルト』や『転落防止プレート』『転落防止措置』などの要件を備えた座席を基にした『フルフラット座席を備える高速バスの安全性に関するガイドライン』を策定、昨年11月に公表していました」(社会部記者)
ところが、このガイドラインの概要をよく見ると、仰向けに寝た状態で太もも上部あたりに2点式座席ベルトがあり、寝返りすることが厳しそうに見える。SNSでは、《体勢変えられないとキツイ》などとも指摘された。
寝台バスは過去に中国で隆盛を極めたが、安全面に大きな問題があり、交通事故時の死亡率は一般のバスに比べて高く、その後、姿を消してしまった。もちろん、国交省ではそうした海外の事例を踏まえた上でガイドラインを制定したのだろうが、実際の乗り心地や安全性はどうなのか…。
高知駅前観光の寝台バスは、独自で開発した新型リクライニングシート「ソメイユプロフォン」を採用しているという。フランス語で「熟睡」を意味するのだそうだが、どれだけ快適な深夜移動ができるのか、実証運行の検証結果が待たれるのである。
以上、アサ芸ビズから紹介しました。
編集者:いまトピ編集部