松屋「不評な〇〇を劇的改善」…客は「安くて美味しい牛丼を食べたい」
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大手牛丼チェーン「松屋」で、ある不評が一部で広まっていた。
それは「店舗内に設置されている注文用タッチパネル式券売機が使いにくい」というもの。
しかし、その券売機の操作性が改良され劇的に使いやすくなったと話題を呼んでいる。
まずは、2年前にはネットニュースでもたびたび取り上げられるほど、そのユーザビリティが議論を呼んでいた、当時の券売機の操作性を見ていこう。
「たとえば牛めしのメニューを選んでいるときに他のカテゴリーのメニューのページに行こうとすると、どのボタンから行けばよいのかわかりにくい」
「ユーザーが自分で横にスクロールさせて表示させる方式なので、見たいカテゴリーが表示されていないと『行きたいカテゴリーが見つからない』となってしまう恐れがある」
「丼もののサイズを選んだ後に遷移する画面で『ご一緒にいかがですか』という表示の下に『生野菜生玉子セット』など追加のセットメニューが並び、セットメニューを注文しない場合は何も選択せずに右下の『カートに追加』を押す必要があるが、セットメニューは追加しなくてもよいということに気が付かず何かを選んでしまう人もいるかもしれない」
「各カテゴリーごとのメニュー表示画面で、右下の『次へ>』ボタンのすぐ下に十分なスペースがなく『全取消』ボタンがあるのも、押し間違って入力した情報をすべてクリアしてしまうという事態を誘発する懸念がある」
そんな松屋の券売機が大幅に改良された。
導入はまだ一部の店舗のみのようだが、どのような点が改良されたのだろうか。
大きく変わったのは「牛めし」「カレー」「丼」など計10個のメニュー・カテゴリが画面左側に縦に並んでいる点だ。
「カートに追加」ボタンがなくなり、メニューを選択すると画面上部にそのイメージ画像が表示され、さらに自然に画面が下に遷移してライスの量や、つゆの量(「普通」「つゆだく」「つゆ抜き」)を選択できるようにもなっている。
あとは「お会計」を押すだけというシンプルさ。
お会計のフェーズでも、従来はまず「dポイントカードをお持ちですか?」という画面に遷移し、「いいえ」を押す必要があったが、「お会計」を押すとすぐに「現金」「交通系電子マネー」「クレジット」「QRコード」「電子マネー」など各支払い方法のボタンが表示されるように変更されており、ユーザの操作回数が減っている。
大手IT企業のシステムエンジニアは語る。
「私はまだ使ったことがありませんが、動画を見る限り、全体的に従来の仕様の課題が一つひとつしっかりと解決されており、大幅に改善されているといえます」
「ユーザが操作の途中で迷うということがなくなっています。また、ボタンを押してから次の画面に遷移するまでのレスポンスも速くなっている点も評価できます」
もっとも、券売機の改良にどこまでコストと労力をかけるのかは飲食店側にとっては難しい問題。
「松屋に関していえば、確かに券売機の操作性を改良することで顧客満足度を高める努力をすること自体は正しいことではありますが、原材料価格や人件費の値上がりでただでさえ経営が苦しいなか、全ての事柄で100点満点を取る必要はないですし、課題に優先順位をつけて取り組むということは経営的には正義ともいえます」
「顧客がもっとも望んでいることは『安くて美味しい牛丼を食べる』ことであり、それ以外の点について、どこまで顧客の声に耳を傾けなければならないのかという問題でもあります」
「低価格を維持する代わりに顧客にはある程度の発券機の操作性の悪さを許容してもらう、という考え方も成り立つかもしれません」
ともあれ、新しい券売機の導入拡大が待ち遠しいというファンも少なくないだろう。
以上、詳細はBusiness Journalをご覧ください。
編集者:いまトピ編集部