セルフレジ、表示された4文字にギョッ…スーパーで買える「軍事施設」

あまり馴染みのない単語でも、4つ並んだ漢字から何となく意味を推測できるのが四字熟語。しかし現在X上では、セルフレジに突然現れた謎の四字熟語に対して「どういうこと!?」と、驚きの声が続出しているのだ。
■このセルフレジ、何かがおかしい…
ことの発端は、とあるXユーザーが2月22日に投稿した1件のポスト。こちらの投稿には、令和の現代ではお馴染みとなったセルフレジの画面が写った写真が添えられている。
「バーコードのない商品」にも対応しているセルフレジのモニターには「やさい」「くだもの」…そして、なんと「元寇防塁」の4文字が表示されていたのだった。
■「軍事施設がスーパーで…」と驚き
バラ売りの野菜や果物にバーコードが使用されていない、というのは理解できる。
しかし「元寇防塁」と言えば、今から700年以上前に蒙古襲来(元寇)に備えて築かれた防塁。もはや「バラ売り」どころか、「スーパーで売っている」こと自体が一大事なスケールである。
こちらの衝撃的な絵面は瞬く間に話題となり、件のポストは投稿から数日足らずで6,000件以上ものリポストを記録する事態に。
他のXユーザーからは「鎌倉時代にはバーコード無いもんな…」「一体何と間違えたんだろう?」「軍事施設がスーパーで買える時代か」「鎌倉武士が恩賞もらえない…」など、驚きの声が続出している。
しかし、じつはこちらの「元寇防塁」には、もうひとつの意外な正体が存在することをご存知だろうか。そこで今回は、同製品を製造・販売する「博多長崎屋」に、詳しい話を聞いてみることに…。
■「命名の経緯」が微笑ましすぎる
1968年(昭和43年)創業の博多長崎屋は、福岡県福岡市に本店を構える和菓子店。
今回話題となった商品『元寇防塁』の詳細について、担当者は「厳選した餅粉、粗糖、ローストした香ばしいくるみを使ったくるみ餅です。周りにまぶしている落雁粉、和三盆の風味がよりおいしさを引き立てております」と、説明している。
…そう、じつは『元寇防塁』は、歴史的に有名な防塁と同じ名称を冠した「和菓子」だったのだ。
その歴史について、博多長崎屋の担当者は「販売当時の名称は『くるみ餅』とし、竿物(さおもの)で販売しておりましたが、お客様から『食べにくい』とご意見を頂き、現在のような切り分けた状態で販売するようになりました」と、振り返る。
そして「その切り分けた状態が石垣のように見え、近くにある史跡の名前を付けたら地元の皆様に喜んで頂けるのではないか…と思い、『元寇防塁』と名付けました」と、命名の経緯を語ってくれたのだ。
「このことを切っ掛けに多くの方に、地元で長年愛されている銘菓『元寇防塁』のことを知って頂き、このお菓子とともに元寇防塁の歴史に思いを馳せてもらえればと思っております」とも語ってくれたのだ。
話題の『元寇防塁』は福岡を中心に九州の様々な場所で販売されており、オンラインショップからも購入可能。気になる人はぜひ、一度その味を試してみてほしい。
しらべぇが伝えています。
編集者:いまトピ編集部