『アルファード』納車前に代金払えず…212万円の賠償請求「通常ありえない」
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“ある事件”をリポートした2024年11月10日付「現代ビジネス」記事が少し前に話題となっていた。
トヨタ自動車のディーラー「トヨペット」で「アルファード」を760万円で注文したところ、トヨペット側の事情で納期が2カ月延期、
その間に購入予定者である男性がトラブルに巻き込まれて代金を支払えなくなったという。
そのまま納車日を迎えてたため、30万円を支払い車両を登録。
トヨペット側が車両を管理して男性は一度も車両に触れないまま4カ月が経過したある日、男性はトヨペットから売買契約を解除された上で債務不履行の損害賠償として212万円を請求された――。
「もっとも手に入りにくい車」の一つといわれたアルファード。
価格が500万円台~約1000万円と高価ながらも、注文が殺到するほど高い人気を誇っている。
トヨペット側の主張としては、評価額が約550万円に落ちたため男性は差額の約212万円を賠償すべきというもの。
一般的に新車の購入では売買契約の締結から納車まで数カ月、人気車種では年単位の期間がかかるため、その間に購入予定者が諸般の事情で費用を用意できなくなるという事態は起こり得る。
そのような場合、ディーラーはどのような対応をするのか
中古車販売店経営者で自動車ライターの桑野将二郎氏は語る。
「一般的にはキャンセル処理されると思われます」
「特殊な内容で注文をしている場合、たとえばエアロ装着やローダウンなど車検対応のカスタムをメーカーオプションで発注している場合などは、多少交渉を求められる場合もあるかもしれませんが、販売店からメーカーへの注文は基本的にキャンセル対応できるそうです」
「キャンセルできないという話は、あくまでメーカーの対応ではなく、販売店としての対応であり、実際に商談をしている営業担当者や店舗の責任者による対応であると考えるべきでしょう」
では、今回のようにディーラー側が購入契約のキャンセルを認めず、価値低下分の損害賠償を請求するというケースは、あるものなのか。
「トヨペットの元社員の方に話を聞いてみましたが、通常はありえない話だということでした」
「契約書にキャンセルできないという旨の記載があるわけもありませんし、そもそも今回の対象車種であるアルファードは超人気車種であり、仮にキャンセルされたとしても、購入を希望する人は山ほどいます。また、違う見方をすれば、キャンセルされた車両をいったん登録した後にオークションに出品すれば利益が出ます。それほどの人気車種がキャンセル不可という話は考えられない、という意見でした」
「さらに、あるディーラーの元社員に話を聞いたところ、過去に実際にあった事例として、ある店舗責任者が自身で利益を得るために、顧客からキャンセルの入った車両を他人名義で登録して、すぐにオークションで転売して数十万円の利益を得たり、キャンセルした顧客に契約違反として違約金を請求するといったことも起きていたといいます」
「ディーラーのなかには悪質な営業担当者や責任者のいる店舗というのは実在する可能性があるという心構えが、ディーラーを利用する際には必要といえるでしょう」
以上、その他詳細はBusiness Journalをご覧ください。
編集者:いまトピ編集部